(貿易ともだち)さん、みんな(頑張るチャン!)してるかな? (1066)
『バラスト水』は、タンカーやコンテナ船などが空荷の時などに船を安定させるための
(重し)として船内の専用海水タンクに注入する海水のことです。
(空荷)の際、就航地の港で注入され、寄港地で排水されます。
『バラスト水』に混入していた生物が、本来ならば生息していない場所に放出される。
それが、(外来種)として世界各国の生態系を壊すことに繋がり、大きな国際問題となっています。
① オーストラリアでは、アジアの「ワカメ」が大繁殖、北太平洋海域の「ヒトデ」が、同国南部
のホタテガイやカキを食い荒らしている。
② アメリカ原種の「クラゲ」が黒海に侵入、プランクトンや魚の卵を捕食して漁業に打撃を
与えている。
③ 米国の五大湖では、東欧原種の(貝)が、発電所の給水口を詰まらせる事態となった。
世界では年間30億~40億トンもの海水が『バラスト水』として外国貿易船によって全世界
に移動しているといわれる。
貿易量の多い日本は、国内でのバラスト水排出量=(世界各国港の海水を、日本国内の港
で排水すること) 及び、日本の船舶が日本各港の海水を世界各国の港に持ち込む量の
何れも世界トップレベルです。
☆ 「国際海事機関=WMO(International Maritime Organization)」
は、2004年2月に(船舶のバラスト水管理のための国際条約)を採択しています。
『船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約』
「BMW=(International Convention for the Control and Management of
Ships' Ballast Water and Sediments)
この国際条約は、2004年に(採択)はされていますが、まだ(発効)はされていません。
批准国が伸び悩んでいる理由として、(IMOの基準)が大変に厳しいレベルの内容であり、
基準を満たす水処理技術システムの開発が遅れているためです。
条約の(発効要件)は、批准国が30カ国以上でかつ、商船船腹量の35%以上となって
います。
(※)こうした現状を受け、日本の造船関係企業を中心として(IMO基準)をクリアする
(バラスト水処理技術)を次々と開発し、世界から注目を浴びています。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木