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『海藻から生まれるミラクル成分が世界を救う? 世界トップを走る日本の中小企業の技術力とは』ー①
2026年 03月 04日
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (8859) 『海藻から生まれるミラクル成分が世界を救う? 世界トップを走る日本の中小企業の技術力とは』ー① 浜辺に打ち上げられ、腐敗していく海藻。ーー世界でも海藻を多く食す日本ですが、それでも食べられず、ゴミ同然の厄介者として扱われる海藻も多くあります。そして、海外でもそれはさらに大きな問題であり、海洋環境を害する不要物として処理に困っている声が上がっていました。 しかし、海藻や藻は食品、サプリメント、美容品、燃料、医薬品などに活用できる。これから多くの可能性を秘めた素材です。そして世界的にも注目のビジネス。 実はその世界トップを走っているのは、日本の中小企業でした。200人ほどの会社がなぜ世界トップを誇るようになったのか。その背景を追いました。 ◆国内シェア90%、世界トップ品質のニッチ産業 東京湾に接し、房総半島のほぼ中央部に位置する千葉県富津市。都心から車で1時間のこの地に、キミカ(本社・東京都中央区)の工場があります。 キミカは1941年創業のアルギン酸メーカーで、国内シェア90%を誇ります。さらに世界6カ国に拠点を構え、50ヶ国以上に高品質なアルギン酸を供給。食・医薬品グレードでは業界の世界トップ企業です。 アルギン酸は、コンブやワカメといった海藻に含まれる天然多糖類で、食品、繊維製品、化粧品、医薬品など多様な分野で活用されています。 その名称から科学的に合成された物質だと誤解されることが多いですが、それは間違いです。天然の海藻から抽出される100%自然素材なのです。 キミカの工場内部を、創業者3代目で同社取締役執行役員の笠原善太郎氏に案内してもらいました。 ーーー キミカ取締役執行役員・笠原善太郎氏 氏:東北大学農学部を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校に渡りJennifer Doudha教授(2020年ノーベル賞受賞)の下でゲノム編集の研究に従事。帰国後、大手総合商社や大手食品メーカーを経て、2019年に家業であるキミカに入社。営業本部長として会社の舵を取る。 ◆原料の海藻はチリ産が最適な理由 キミカでは、南米チリの海藻からアルギン酸を抽出しています。なぜチリなのでしょうか。 (笠原)「南極からフンボルト海流が北上するチリ沿岸は、ミネラルが豊富なうえに水温が低く、海藻の生育には理想的な環境です。大きく育った海藻は、波の力で自然と岩から剥がれ落ち、チリの沿岸に漂着します。この海藻は硬くて食べられません。長年、未利用のまま放置され、二酸化炭素やメタンガスを発生させる”海のゴミ”として扱われてきました。それを当社は一つひとつ手作業で拾い集めて利用しています。1980年代にチリに進出し、現地で強固なサプライチェーンを作り上げています」。 ◆アルギン酸と海藻成分を分ける独自技術 倉庫には細かく砕かれた海藻が積まれていて、海藻の匂いに満ちていました。そして工場には巨大なタンクが並び、その中には、茶色の水が渦巻いていました。 (笠原):「アルギン酸を抽出する前に、乾燥した海藻を水に浸してふやかせます。そして海藻の表面に付着した汚れやヌメリを洗い流します」 ・次にアルカリを加えて、pHを上げます。 (笠原):「海藻の中のアルギン酸は海水中のミネラルと結合して不溶性の塩となっています。アルカリ性にすることで水に溶ける塩となり、海藻から抽出できます」 ・抽出液はアルギン酸と海藻の繊維が混ざった状態となっており、次はその両者を分けねばなりません。 この分離技術は、キミカ独自のノウハウが詰まっているそうです。 (笠原):「一言でいえば、抽出液を泡立てて、タンクに静置しておくだけ。電力も化学薬品を使用しないエコな方法で、当社の創業者が考案しました。他社は大量の化学薬品(濾過助剤)を使って抽出液を濾過しているので、海藻の残渣は産業廃棄物になってしまいます。しかし、キミカの方法なら海藻残渣はミネラルを豊富に含む良質な飼料として活用できるのです」 海のゴミからアルギン酸を取り出し、残りは肥料として土に帰す。キミカのアルギン酸はサステナブルな素材として, 2020年には日本最高峰の環境省である「ジャパンSDGsアワード」を受賞しました。 ~以下、(次号):『繊維の染色から歯磨きめで多様に活用』に継続アップ~ (記事出典:取材・文(荻野伸介 氏)/ NEWS PIKS+d 2026/02/02 )
by Gewerbe
| 2026-03-04 05:08
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