『「国の借金』ばかり騒ぐ人が見落とす経済の真実』ー①
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (8823)
『「国の借金」ばかり騒ぐ人が見落とす経済の真実 庶民を豊かにし、かつ格差を広げる「民間債務」の正体』ー①
「政府の赤字で国が破綻し、国民は貧しくなる」と言う説が絶えない。しかし、コロナ禍で起きたのは、「政府の巨額赤字」と「家計資産の過去最高更新」という、一見すると奇妙な現象だった。
なぜ、こんなことが起きたのか? リチャード・ヴェイグ著『世界は負債で回っている』をもとに解説する。
~「複式簿記」の基本原則を経済全体に当てはめてみると~
◆パンデミックで「家計の資産」が過去最高になった謎
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の危機に対し、アメリカ政府は単年度で3兆ドルに及ぶ巨額の公的資金を投じた。その結果、政府のバランスシートは建国以来とも言えるほど悪化し、政府の純資産は単年度で2兆2000億ドルも減少した。
しかし、同じ時期に家計の資産はどうなっていたか。驚くべきことに、家計資産は14兆5000億ドルも膨張し、史上最大の増加を記録したのである。
「政府が巨額の赤字を出せば、国が破綻し国民は貧しくなる」という通説は、この現実を前に脆くも崩れ去る。
~むしろ現実は逆だ~。 政府が損失を被ることは、家計というマクロ部門の純利益や純資産の増加と表裏一体だったのである。このパラドクスを理解するためには、政治的な議論で常に悪役とされる「政府の借金」ではなく、経済の真の支配者である「民間債務」に目を向けなければならない。
一国の経済統計とは、突き詰めれば個人や企業、機関の財務情報を全て足し合わせた数字にすぎない。
ここで「複式簿記」(貸借対照表・バランスシート)の基本原則を経済全体に当てはめてみよう。
複式簿記の世界では、誰かの支出は誰かの収入となり、誰かの負債は必ず誰かの資産となる。
経済を「家計」「非金融企業」「金融機関」「政府」「海外(ROW)」の5つのマクロ部門に分けて分析すると、一つのパターンが浮かび上がる。
アメリカをはじめとする主要先進国では、家計と政府が最大の対極をなしている。つまり、家計が最大の純所得を計上しているとき、政府は最大の損失(赤字)を計上しているのだ。
政府が支出したマネーは消えてなくなるわけではない。その多くは最終的に給与や支援金として、家計の懐に入る。この会計上の公理を無視して政府債務の規模だけを怖れるのは、循環器系の全体像を見ずに心臓の鼓動だけを心配するようなものである。
◆1980年代から始まった「第負債爆発」の正体
アメリカの負債の歴史を振り返ると、1981年を境に経済の性質が劇的に変化したことがわかる。1950年っから1981年までの期間は、第2次世界大戦で膨らんだ政府債務の「比率」が低下していく「大債務削減(グレート・デバレッジ)」の時代だった。
しかし、1980年代に入ると「大債務爆発」と呼ぶべき時代が到来する。1950年時点で対GDP比142%だった総債務は、2021年には294%へと、150%ポイント以上も上昇した。
注目すべきは、この間、民間債務も政府債務も歩調を合わせるように増大を続けている点だ。かつて多くの経済学者は、政府債務が増えれば金利が上昇し、投資が圧迫されインフレが加速して経済を損なうと警告した。しかし、現実には政府債務が爆発的に積み上がる中で金利は急落し、家計の純資産価値は上昇を続けたのである。
◆なぜ「国の借金」より「民間の借金」が怖いのか
では、借金はいくら増えても問題ないのだろうか。そうではない。真に警戒すべきは政府負債よりも「民間債務」の急増である。
~以下、(次号)に継続アップ~
(紀伊出典:リチャード・ヴェイク 氏 / 東洋経済 ONLINE 2026/02/06 )
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木


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