『レアアースで読み解く資源覇権戦争と「中央アジア」というピース』ー④
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (9907)
『トランプの行動は「暴走」ではなく「脱中国」で一貫している! レアアースで読み解く資源覇権戦争と「中央アジア」というピース』ー④
~(前号)からの継続アップ~
◆トランス・カスピ回廊は、地図ではなく現場で測れ
日本政府や欧州が期待を寄せるトランス・カスピ回廊は、資料の上では美しい。だが、筆者(中村)は地図を信じない。信じるのは、線路の錆と港の水深だけだ。私は実際にカスピ海沿岸の港を歩いた。水位低下は想像以上で、フェリーの積載効率は年々落ちている。鉄道はボトルネックだらけで、一本の遅延が全体を止める。それでも、この回廊が持つ意味は揺るがない。
なぜなら、「使えない回廊」と「存在しない回廊」では、戦略価値がまるで違うからだ。ロシアを完全に切る必要はない。だが、逃げ道を持つことが国家の交渉力になる。
中央アジアのレアメタル埋蔵量は、中国に比べれば小さい。だが、それで十分なのだ。供給網とは、100%を置き換えるためにあるのではない。10%を逃がすために存在する。中国が輸出を絞った瞬間に、代替ルートが一つでも動く。それだけで、価格も交渉力も変わる。山師の世界ではこれを「楔(くさび)を打つ」と言う。
◆見えない地殻変動は、常に内陸から始まる
資源の歴史を振り返ると、世界を揺るがす変化は、いつも周縁から始まってきた。石油は中東から、レアアースは中国内陸部から、そして今ーー次の震源地として浮かび上がってきたあのが、中央アジアである。
中国がレアアース、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモンといった戦略鉱物の輸出管理を強化した瞬間、日本の産業界は凍りついた。半導体、EV、再エネ、軍需ーーどの分野も、中国なしでは成立しない現実が、あまりにも露骨だったからだ。ここで重要なのは、「脱中国」というスローガンが、感情論ではなく生存戦略となった点である。
そして、その代替地として浮上したのが、カザフスタンを軸とする中央アジア五カ国であった。ウラン、レアアース、ガリウム、クロム、マンガン。中央アジアは、単なる資源の宝庫ではない。中国とロシアという二つの巨大重力圏の狭間で、多角外交を生き抜いてきた老獪な内陸国家群なのである。
◆トランス・カスピ回廊という「もう一つの生命線」
日本が中央アジアに本腰を入れる最大の理由は、資源そのものよりも物流にある。ロシアを迂回し、カスピ海を超えて欧州へと抜ける「トランス・カスピ回廊(ミドル・コリドー)」は、地図の上では美しいが、現実は泥臭い。鉄道容量不足、港湾の老朽化、通関の非効率、水位低下ーー。
だが、それでも日本がこの回廊に賭けるのは、中国・ロシアという「単一障害点」を回避できる、唯一の陸路代替案だからである。資源は掘れても、運べなければ意味がない。山師の世界では、それを「死蔵」と呼ぶ。
中央アジア諸国が日本に期待しているのは、資金ではない。ましてや、中国型のインフラ爆撃でもない。彼らが求めているのは、資源を掘り、精錬し、産業として育てる技術と時間である。
例えばカザフスタンは、ロシア製原子炉を選びながらも、日本との重要鉱物協力を並行させている。これは二股外交ではない。主権を最大化するための分散戦略である。日本は、速さでは中国に勝てない。安さでもロシアに勝てない。
だが、「裏切らない」という一点において、中央アジアは日本を評価している。
~以下、(次号):『レアメタルは「掘る者」ではなく「持つ者」が勝つ』に継続アップ~
(記事出典:中村繁夫 氏(アドバンス・マテリアル・ジャパン)/ Wedge (ウエッジ) 2026/01/10 )
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木


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