(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (7123)
『経済安全保障の将来的視点』ー➇
ー貿易ルールとサプライチェーンから見た政治経済的考察ー
~(前号)からの継続アップ~
◆(3)SDGsと経済安全保障の連動:先進国における社会的背景
2010年代の世界は、多くの国が「内向き化」の様相を深めていた。「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ政権下の米国では、温暖化防止のためのパリ協定からの離脱に対して国際社会から大きな批判を受けるとともに、不法移民への対処としてメキシコとの国境に壁を建設するといった動きが、移民労働者の人権問題の文脈で批判されるようになっていった。
欧州は所得水準の多い国の集まりだと見なされているが、一切には経済発展水準が大きく異なる国が存在していることがリスク要因となっていた。
欧州連合(EU)に加盟する国々も、経済格差の存在やその拡大が、将来的に域内の社会的・経済的コストを増大させることは十分に認識していた。その中で英国のEU離脱などの内向き志向が社会的・経済的対立に繋がるという認識も、二度の世界大戦の経験からも欧州に浸透していた。
米国、欧州ともに、植民地支配とアフリカ系移民やヒスパニック系移民などに宗教の違い違いに根差した忌避感の高まりが、各国の社会不安につながるという懸念も、各国の内向き志向の強まりで一層高まっていた。
第二次世界大戦後にWTOの前身であるGATTが設立されたことや、欧州がEUの前身であるEECを設立したのも、経済的対立が大戦につながったことへの反省に立ち、戦争を繰り返さないためにも隣国との経済的協力関係を強化していくことが重要であると考えられたためである。
故に、EU加盟国間に残っている「差異」を最小化することが、リスクの最小化のために必要と考えられているのである。米国においても人種・民族間で所得水準が異なっていることから、これが社会の大きな摩擦要因となっている。
国内・地域内の摩擦を顕在化させないためにも、欧州や米国は他国における人権問題に敏感になっているのである。すなわち、遠く離れた外国において人権問題が発生している時、これを放置しておけば、そうした問題が国内(域内)に波及しかねないということを懸念しているのである。
SDGsへの関心の高まりは、こうした欧米諸国における歴史的・社会的要因の存在が大きい経済開発の文脈で、普遍性(Universality)、多様性(Diversity)、包摂性(Inclusion)といった用語がしばしば用いられるのも、発展途上国に対する支援という意味だけでなく、先進国である欧米社会におけるリスク管理の解決のための方策という意味合いが含まれているのであり、だからこそ、この問題に対していない国や企業に対して、世界中の国々やメディアが批判をすることをためらわなくなっているのである。
~以下、(次号):「日本が直面する可能性のある今後の課題」に継続アップ~
(記事出典:小田正規 氏(日本大学国際関係学部准教授 2022/10)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木
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