(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (7117)
『経済安全保障の将来的観点』 ー②
~貿易ルールとサプライチェーンから見た政治経済的考察~
~(前号)からの継続アップ~
◆ 経済安全保障上のアクターの変化ー(1)
歴史的に日本は他国と多くの経済的問題に直面してきた。1970~19901年代に発生した「日米貿易摩擦」 はその典型 である。日米繊維交渉 (1970~1972年)、対米自動車輸出時勢規制 (1981年)、日米半導体交渉 (1985~1986年)日米構造協議 (1989~1990年)、日米包括経済協議 (1993~1995年)などの形で日本はアメリカからの圧力にさらされてきた。
しかしこの時期、日米間の経済上の問題は「貿易摩擦(Trade friction)」 とは表現されたが、「経済安全保障」 と呼ばれたことはなかった。
日米間は経済面においては多数の問題を抱えていたが、政治面では「安全保障」上の同盟国であり、民主主義を体現するパートナーであったことから、経済問題を「安全保障」 という用語で捉えることはなかったということであろう。
今日の問題が「経済安全保障」 と呼ばれるのは、それが中国やロシアといった、資本主義・民主主義とは異なる体制を持った国 との関係から発生する問題であることに加えて、新型コロナの発生に伴って世界全体で発生した「人類が体験したことのない未知なるものとの戦い」 として捉えられているためである。
経済的対立や関税ブロックの存在が2度の世界大戦を引き起こしてしまったことへの反省から、第二次世界大戦後、「関税及び貿易に関する一般協定 (General Agreement on Tariffs and Trade: GATT )」が締結された。50年弱の歳月をかけて、GATTは世界貿易機関 (World Trade Organization: WTO )」として国際機関に格上げされたが、この間、貿易障壁の削減として関税の暫次引下げが「ラウンド交渉」 の形で行われてきた。
WTO設立前のGATT時代の最後のラウンド交渉となった「ウルグァイ・ラウンド交渉(1986~93)」 に至るまでに、貿易交渉に関する関心は、関税の引下げから非関税障害の削減・撤廃へと移っていった。これは主要国の関税の引下げが達成されてきたということが背景にあるが、貿易障壁としてより厄介な存在は、規制や基準認証といった「国内規制」 の差が各国間に存在している ことであるとの認識が共有されるに至ったことが大きいであろう。
WTOが設立され、2001年に新ラウンド「ドーハ開発アジェンダ(DDA)」 がスタートするまでの間も、WTOにおける貿易交渉の関心事は、「貿易と環境」「貿易と労働基準」「貿易と投資」 といった「国内規制」 に関連した分野が中心であった。
DDAの交渉が頓挫し、世界各国が環太平洋パートナーシップ(TPP) を初めとする、いわゆる「ハイレベル自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA )」に貿易交渉の重心を移してくると、国内規制に関する関心はより高いものとなっていった。確かにメディアでは「関税の撤廃」 が注目されてきたが、前述のように主要国の大半の分野において関税は撤廃されてきている。
むしろこれまで貿易障壁の典型例と捉えられてきたが、今日では貿易障壁とはなっていない「関税」を全て取り払ってみて、その上で「真の貿易障壁」 はなになのか ということを特定することが、ハイレベルFTA交渉を行う際の本質的な関心分野として移り変わってきたのである。
~以下、(次号)に継続アップ~
(記事出典:小田正規 氏(日本大学国際関係学部准教授) 2022/10)
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