(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (7114)
『RCEP協定に対する期待と活用』ー②
~(前号)からの継続アップ~
◆ RCEP協定の概要
RCEP協定発効により締約国内での市場アクセスの大幅な向上が期待される。関税交渉の結果を見ると、日本からの輸出については日本以外の14ヶ国の関税撤廃率は品目ベースで83%~100%、日本への輸入については同81%~88%となっている。
これをCPTPP(TPP11)と比較すると低い数字に見えるかもしれないが、輸出入の両面で日本と競合する産品が多い中国と韓国が参加している点を考えると、その効果は大きいものと思われる。
工業製品に関しては、RCEP協定発効後の両国における日本製品に対する無税品の割合は、最終的には中国が8から86%に、韓国が19%から92%へと大幅に上がることとなる。
個別品目では、インドネシアにおける鉄鋼製品、韓国における自動車の電動化に必要な電子系部品や電炉で用いられる炭素電極、カンボジアにおける自動車の一部、中国における電気自動車用のモーターの一部やリチウム蓄電池の電極・素材の一部、ミャンマーにおける貨物自動車、ラオスにおける乗用車の一部等について、新たに関税が撤廃される。
農水産物、食品に関しても、日本の輸出関心品目について関税撤廃を獲得している。中国におけるパックご飯等、米菓、ホタテ貝、サケ、ブリ、切り花及びソース混合調味料、韓国におけるキャンディー、チョコレート等について新たに関税が撤廃された。
財務省が所管する酒類については、中国で人気の日本酒は関税が40%であり、その撤廃には21年要することとなっている。即時撤廃を期待されていた事業者の方々には十分でなかったかもしれないが、一方で日本への輸入を見ると、紹興酒やマッコリも21年での関税撤廃となっていて、国内産業保護という意味では交渉上の見合いで折り合ったといえる。いずれにせよ、日本から中国への日本酒の輸出は5年で10%、10年で半分の関税が引き下げられるので、日本酒の輸出促進に一定の効果があるものと考えられる。
交渉結果は関税面が注目されがちだが、RCEP協定では経済分野のルール面でも既存の「日ASEAN協定」やASEAN各国との「二国間EPA」と比べて新たな規定が多数導入されている。
税関手続き面では各締約国における自国関税法令の一貫した実施と適用の義務化、対応日数に数値目標のある事前教示制度導入の義務化が規定された。貨物の引取り許可については、通常貨物は通関に必要なすべての情報が提出された後48時間以内。急送貨物は6時間以内、生鮮食料品等腐敗しやすい貨物については6時間未満に許可を与えることが義務化されたほか、輸入について国境における知的財産侵害物品の職権差止めの義務化が規定されている。
税関手続き以外でも、電子商取引の分野については各国政府は企業がビジネスを行う上で必要な情報の電子的手段による越境移転を妨げること、企業が海外に進出する際に、その進出国内にサーバーやコンピュータ―関連設備の設置を要求することを原則として禁止する、また、知的財産権の使用料について一定の率や額の要求を禁止する規定が盛り込まれた。
RCEPの交渉が長期にわたった理由の一つとして、ルール分野における各国間の調整に時間を要したことが挙げられる。日本は市場アクセスだけでなくルール面でもある程度の成果を目指していたが、全ての交渉参加国にその必要性を納得してもらうにはかなりの時間と労力を要した。
結果として、こうした義務規律を中国やASEANの一部の国が約束したのはRCEPが初めてであり、大きな成果といえよう。
~以下、(次号)に継続アップ~
(記事出典:井田直樹 氏(財務省関税局・経済連携室長) 2022/04)
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