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『令和3年改正商標法施行後における個人使用目的の模倣品の輸入について』ー②
2023年 05月 09日
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (7109)
『令和3年改正商標権施行後における個人使用目的の模倣品の輸入について』ー② ~(前号)からの継続アップ~ ◆改正後の意義 (1) 税関の認定手続きにおいて、個人使用目的による輸入が「業としてではない」として争われる件数は、実は大きな変化はない。令和4年3月4日、財務省が公表した「令和3年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」の『簡素化手続き状況』によれば、輸入者が「争う旨の申出」をした件数は令和3年で4,080件あり、同年の認定手続開始通知の件数に対する12%である。 すなわち、認定手続きにおいて、輸入者が個人使用目的を理由に「業としてではない」との主張事案が目立って増加したわけではない。 (2) 一方、2020年実績で、一般貨物の輸入申告件数が約7,000万件、郵便物で約1億個が輸入されたといわれている。 しかも国際商取引において、国内の個人の参入が急増していることは、特許庁総務部総務課制度審査議案編「令和3年度特許法等の一部改正産業財産権法の解説」に『近年、電子商取引の発展や国際貨物に係る配送料金の低下等により、国内の事業者が介在しない事例、すなわち海外の事業者が、国内の個人に対し、少額の模倣品を郵便等で直接販売し、送付する事例が急増している』と解説している。 しかし、これは税関が急増する輸入貨物の検査を増やすことで解決できる問題ではない。そもそも税関の仕事は輸入貨物の検査だけではなく、貨物検査は数多くある業務のほんの一部に過ぎないし、人的制約がある。そして何よりも税関の役割の中には『貿易の円滑化』があり、全部検査となるとこの役割を放棄しているに等しい。 そうすると、海外の事業者が国内の個人に対し直接、商品を郵送するケースが急増する中、税関による貨物検査にも限界がある。 しかも認定手続きにおいて、「個人使用目的」を主張する輸入者の中には、例えば、模造品を『個人での使用(収集)目的の場合は違法性がなければ今後も個人輸入を個人収集のために利用したく考えております』と強弁したり、あるいは『私は、知的財産や税関などに関する法律的知識が全くありません。この意見書に個人輸入の目的や個人輸入行為に違法性があり、処罰に問われる可能性がある場合には、当該疑義貨物に関する一切の権利を放棄してこの意見書も取り下げさせて頂きます』と主張する者も多い。 すなわち、このような輸入者は、輸入点数を小口(1点~3点)とし、「個人使用目的」を主張すれば、通関できると高を括っており、「模造品の輸入が悪」とは微塵も感じておらず、このような者は一度、輸入貨物を税関で止められても、再度、同じようにして模倣品を輸入してくる可能性は高い。 したがって、認定手続きを個別にみれば模倣品は「たかが1個」であるが、これを集めて個人輸入全体からみれば、何千、何万個にもなる「されど1個」なのであり、今や我が国へ流入する模倣品は相当量ある危機的状況であることは間違いない。 (3) このような危機的な状況において、改正法施行により小口、かつ個人使用目的であっても認定手続において確実に侵害認定される法体系が導入されることで、社会の中で多くの人々に模倣品は個人使用目的であっても輸入できないという意識を浸透できるはずだ。 そのためにも税関が後述する基本通達を改正し、輸入者に仕出人に係る書類の提出を求めたことは改正法が機能するために必須であり、高く評価したい。 そして、我が国において、「模倣品は個人使用目的であっても輸入できない」という意識が浸透すると、輸入しようと模倣品が差止められることを嫌う輸入者が増えても不思議ではなく、結局、このような者が増えることで、全体として模倣品の輸入を減少させることができる。 そこに改正法の意義がある。 ~以下、(次号):「改正基本通達の内容」に継続アップ~ (記事出典:原田雅章 氏(元東京税関総括知的財産調査官)・弁理士 2022/11) blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木
by Gewerbe
| 2023-05-09 07:07
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