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『原産地証明書の第三者証明制度について』ー⑥
 (貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (7107)

『原産地証明書の第三者証明制度について』ー⑥
 ~(前号)からの継続アップ~

3.RCEP協定
(1)RCEP原産国の特定
 RCEP協定は原則としては締約国すべての国で共通の税率となっているが、一部品目について相手国によって税率差が設定されていることがある。このため、これまでの協定とは異なり、税率を特定する目的でRCEP原産国を証明書に記載することが必要となった。
 原産品であるかの証明方法はこれまでの協定と同じように行えばよいが、加えて、RCEP原産国を特定しなければならない。この特定プロセスは複雑であるが、大雑把に言えば、累積の規定を使用した場合等を除き、最も付加価値を加えた国がRCEP原産国となる。このRCEP原産国の特定についてはシステムでもフォローする形となっている。

(2)Back-to-Back原産地証明書
 Back-to-Back原産地証明書の事例は少なく、「日アセアン協定」では規定はあったものの日本では採用しておらず、RCEPで初めて採用されることとなった。ここでは過去に採用された事例を紹介しておく。
 例えば、RCEP締約国である中国から輸出された産品が日本において蔵置され、積戻しでRCEP締約国である韓国に分割輸出されるような貿易取引で、日本において原産性が損なわれていないことを確認することで、Back-to-Back原産地証明書を発給した事例がある。
 この事例では、非加工要件を満たすかを確認する際に、保税倉庫に置かれていることによって勝手に加工されていないことが担保されている。また、非加工であることの宣誓書、数量確認のため保税倉庫入庫から出荷までの流れがわかる資料を提出していただいている。

 なお、第三国から特定原産品として日本に入ってきたからといって、必ずしもBack-to-Back原産地証明書が必要というわけではない。保税倉庫に入っている場合、日本を経由地と位置付けることで積送基準を満たしていれば、日本での証明書の取得は不要である。一方、分割等の再梱包を行うなどして積送条件を満たしていない場合は、Back-to-Back原産地証明書が選択肢となる。または、日本で加工した場合は、加工の度合いにもよるが、第三国の特定原産品に対し累積を適用し、原産材料のみを使って立証することによって原産地証明書を取得することも選択肢となり得る。ただし、必ずどれかに当てはまるという話ではないことに留意する必要がある。

4.その他の留意事項
 ➀ 特定原産地証明書と非特恵原産地証明書との違い
  日本商工会議所では原産地証明書と言った場合、特定原産地証明書非特恵(一般)原産地証明書の2種類を出しているが、特定原産地証明書は関税減免目的のものであり、お客様に利用目的を確認いただければどちらの原産地証明書かが分る。
 ② 積送基準
  原産品の審査や証明書の発給の際には、日本商工会議所では直接には確認していない。お客様側で輸出をして相手国に入るまでの経路について確認して頂く必要がある。第三国を経由した場合は、通し船荷証券の写し等の提出が必要となる。
 ③ 特定原産地証明書の提出
  特定原産地証明書は相手国の税関に提出する必要があるので、取得したら輸入者に送ればよい。輸入者が輸入国税関に特定原産地証明書を提出することにより、EPA税率の適用が可能となる。
 ④ 書類等の保存義務
  繰り返しになるが、原産性を判断するために用いた書類等、インボイス、証明書の写し等は、協定で決められた期間、保存する義務がある。
 ⑤ 輸入締約国からの確認要請(検認)
  輸入締約国には原産品であるかについて確認する権利があり、確認の要請(検認)をすることができる。
 第三者証明の場合は、政府経由で日本商工会議所を通じて確認の要請をすることとなる。
 自己証明の場合は、政府にも連絡は行くと思うが、直接に確認の要請がいくこととなる。
 確認の内容の際に、前述の保存資料を改めて確認される。検認には期限があり、期限内に回答がない場合、相手国が納得しない場合は特恵待遇が否認されることもある。原産品の確認と証明書の取得が別のプレイヤーになることも多々あり、証明書を取得する人は輸出の都度に原産性を意識しているとは思うが、そうでない人はなかなかそれがわからない場合もある。メーカー、生産者も含めて、原産性の定期的な確認が必要であり、検認に対抗できる体制を構築しておくことが重要である。
 ⑥ 通知義務と罰則
  【通知義務】 下記の事実を知った場合、輸出者および生産者は、法律第6条により指定発給機関(日本商工会議所)を通じて経済産業省に通知する義務があります。
 ・証明書の発給を受けた産品が特定原産品でなかったこと(証明書受給後5年間)
 ・申請書の記載又は資料の内容の誤りにより証明書の記載に誤りが生じたこと(同1年間)
 ・証明書に記載された事項に変更があったこと(同1年間)
  【罰則】
 (違反の内容)         (関連条文) (罰則)
・標章の使用制限違反       (第35条)   50万円以下の罰金
・虚偽の申請書又は虚偽の資料の提出(第36条)   30万円以下の罰金
・原産品でなかったことの通知義務違反(第37条)  30万円以下の罰金
・原産地証明書の返納義務違反   (第38条)   30万円以下の罰金

(記事出典:日本商工会議所 国際部 菊川裕司 氏 (2022/09)

 blog up by Gewerbe  「貿易ともだち」 K・佐々木
『原産地証明書の第三者証明制度について』ー⑥_a0061688_333364.jpg

by Gewerbe | 2023-05-08 05:48 | Trackback | Comments(0)