『経済連携協定(EPA):原産地規則・EPA特恵関税』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4602)
『経済連携協定(EPA)』
2021年5月現在で、我が国は、19のEPA等が発効している。近年では「TPP11(CPTPP」(2018年12月発効)や「日EU・EPA」(2019年2月発効)、また、「RCEP」(2020年11月署名)など、経済規模の大きいいわゆる”メガEPA”が次々と発効、又は発効に向けた準備が進められている。
これに伴い、同一国との貿易において利用可能なEPAが複数存在(EPAの多重化)するなど、EPA利用に関する状況は多様化の一途をたどっている。
『EPA利用に係るアンケート調査」:㈶日本関税協会 (2020/11/27~2021/1/05)
【EPA相手国との輸出入の有無、EPAの利用割合、自己申告制度の利用社割合】
(輸入)については;
・「EPA相手国から輸入している」と答えた事業者な67%で、
・そのうち、(EPA)を現在利用している」と答えた事業者は76%
・「(原産地自己申告制度を)現在利用している」と答えた事業者は74%であった。
(輸出)については;
・「EPA相手国へ輸出している」と答えた事業者は49%で、
・そのうち、(EPAを)現在利用している」と答えた事業者は68%
・「(原産地自己証明制度を)現在利用している」と答えた事業者は68%だった。
【2019年度の第1回アンケート調査との比較】
第1回調査と比較すると、前期各EPAの利用社数の合計が、輸入では2,568社から3,309社へと28.9%増加し、輸出では1,162社から1,633社へと40.5%増加している。
第1回調査の際、発効していなかった「日米貿易協定」を除いても、それぞれ、22.3%及び35.7%の増加となっており、かつ、輸入および輸出とも「日ブルネイEPA」を除きすべてのEPAで利用回答社数が増加しており、EPAの利用が拡大していることが伺える。
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EPA利用社数が大きく増加した協定としては;
(輸入)では、「TPP11」、「日シンガポールEPA」(36.6%増)、及び件数は少ないが「日モンゴルEPA」(81.8%増)がある。
(輸入)では、「TPP11」(43.8%増)、「日オーストラリアEPA」(55.8%増)、に加え、中南米諸国である「日メキシコEPA」(52.7%増)、「日チリEPA」(76.7%増)、「日チリEPA」(92.9%増)の伸びが全体の利用社数の伸びよりも大きくなっている。
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輸出入ともに全体の利用社数よりも利用社数の伸びが大きいのは「TPP11」であり、「TPP11」発効から3年目に入り、関税引下げのステージング(段階的関税撤廃・削減)が進み特恵マージン(MFN税率とEPA税率の差)が拡大し、利用のメリットが徐々に表れていることが影響している可能性も考えられる。
(記事抜粋:㈶日本関税協会・「貿易と関税」(2021/06))
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木