『関税法・(輸出してはならない貨物)-「営業秘密侵害物品」』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4599)
(前号)では、関税法の「輸出してはならない貨物」に、不正競争防止法第10号に規定する(営業秘密侵害物品)が加えられ、具体的な物(モノ)のみでなく、”電気通信回路を利用して提供する行為”も含まれていることの話題をアップしました。
かつては関税法に「輸出入してはならない貨物」という規定は存在しませんでした。関税定率法に、麻薬や拳銃等が「輸入禁制品」として規定されていましたが、2006年6月の法改正により”知的財産権を侵害している物品”を追加するとともに、規定が関税定率法から関税法に移されました。これを受けて、同年に「輸出してはならない貨物」を関税法に新設、翌2019年に”知的財産侵害物品が追加”されました。
この「営業秘密侵害物品」が含まれる「不正競争防止法」は、経済産業省が管轄する法律であり、外為法・輸出貿易管理令(別表Ⅱ)において、経済産業大臣の輸出の承認を要するものとしても規定されています。
1987年の改正以来、22年ぶりに平成21年外為法改正でのポイントがこの「不正競争防止法」であり、通関士試験への出題に留意すべき重要点の一つと言えます。
つまり、この営業秘密侵害物品を含む『不正競争防止法』の該当物品・行為は、関税法の「輸出してはならない貨物」・「外為法・輸出貿易管理令」の経済産業大臣の輸出の承認を要する貨物と、その輸出には、双方の法令の規定が被ることとなっており、このポイントが通関士試験受験者を悩ませる大きな要因となっています。
先月来~、「法令の多重性」としてアップを重ねてきたように、財務省・「関税法」と経済産業省・「外為法」とでは、輸出:輸入の規定や概念が異なりますから、(仮陸揚げ貨物)や(積戻し貨物)を中心として、『「関税法」と「外為法」の横断的理解』が必要かと思います。
(※)この「関税法」と「外為法」との相違・多重性のポイントは、過去の通関士試験において、かなりの頻度での出題実績があり、多くの受験者が”失点”とするポイントの一つです..。
~(以下)、詳細継続~
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木