(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4719)
「遡及(そきゅう)値引き」の額に係る、現実支払価格への加算での出題は、数回、過去に出題されていましたが、反対の「遡及値上げ額」の場合の事例です。
『5.仕入書価格に前回輸入した貨物の遡及値上げ額が含まれている場合の現実支払価格』
【照会要旨】
当社(買手)は、売手から化学調味料を購入(輸入)しています。
輸入貨物の売買価格「1キログラム当たりの単価)は、売買契約において取決められています。
当社は、売手から原材料価格の高騰を理由に10%の取引価格の値上げを要請され、今回の輸入分から値上げ後の単価により取引を行うことで合意し、さらに売手から前回輸入した貨物についても遡及して値上げしたいとの要請があり、その要請を受け入れることとしました。
今般、当社は前回輸入した貨物と同数量の貨物を輸入しますが、売手から当社宛に送付された仕入書には、今回輸入する貨物の売買単価(値上げ後の単価)に、前回輸入した貨物に係る遡及値上げ額(値上げ前の売買単価の10%)を加えた単価により計算された価格が表示されており、当社はこれを支払います。
輸入貨物の課税価格を計算するにあたって、当社が売手に支払う前回輸入した貨物の遡及値上げ額は、今回輸入する貨物の現実支払価格に含まれますか?
なお、関税定率法第4条第2項各号に掲げる特別な事情はありません。
【回答要旨】
上記の取引において、貴社が売手に支払う前回輸入した貨物に係る遡及値上げ額は、今回輸入する貨物と関係のない支払であると認められますので、今回輸入する貨物の現実支払価格には含まれません。
(理 由)
「現実支払価格」とは、買手が売手に対して又は売手のために、輸入貨物に係る取引の状況その他に事情からみてその輸入貨物の輸入取引をするために現実に支払った又は支払うべき総額をいい、売手の債務の弁済等の間接的な支払の額を含みます。
ただし、買手による売手への支払であっても輸入貨物と関係のないものは、その輸入貨物の課税価格に算入しないこととされています。
上記の取引において、貴社(買手)が売手に支払う前回輸入した貨物に係る遡及値上げ額は、今回輸入される貨物の仕入書において、今回輸入される貨物の価格に含めて請求されていますが、今回輸入される貨物と関係ない支払とみとめられます。
なお、この遡及値上げ額は、前回輸入した貨物に係る取引の状況その他の事情からみてこの輸入取引をするために現実に支払った又は支払うべき総額に含まれることから、前回輸入した貨物の現実支払価格には含まれます。←「修正申告」
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木