『昨年=第52回通関士試験・通関実務科目(輸入申告書の作成問題)』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4661)
『昨年=第52回通関士試験・通関実務科目(輸入申告書の作成問題)』
「別紙1の仕入書及び下記事項により、アメリカ合衆国から紡績用繊維から成る衣類等を輸入する場合の輸入(納税)申告を輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、以下の問いに答えなさい。」
(設問・記)
6.輸入貨物に係る輸入取引に関連して、輸入者(買手)と輸出者(売手)のために、当該輸入貨物の受注、交渉等、当該輸入取引の成立のための業務を行うA社に対して、その業務の対価として輸入者(買手)及び輸出者(売手)の双方がそれぞれ仕入書価格の10%の手数料を支払う。
(解答・解説)
問題文「記・6」の費用「買手と売手のために輸入貨物の受注、発注、交渉等の輸入取引成立のための業務を行うA社に対する仲介料として、買手及び売手の双方が、それぞれ仕入書価格の手数料として支払う費用」:
買手支払分のみ加算
輸入貨物の輸入取引に関し買手により負担される「仲介料その他の手数料(買付けに関し、当該買手を代理する者に対し、当該買付けに係る業務の対価として支払われるものを除く。)は、加算要素の一つとされる。A社は、売手と買手の間にあって仲介業務を行う者であり、買手がA社に支払う手数料は加算要素である「仲介料その他の手数料」に該当する。
なお、売手がA社に支払う仲介料は、仕入書価格に含まれ、現実価格を構成しているので、更に当該手数料を加算する必要はない。
(関連条文):関税定率法第4条第1項第2イ、同法基本通達4-9)
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関係する受験者の一人=”完全に合格圏内定者”の完成された受験対策が拡充された受験者ではあったが、”本試験での異常な環境下”、パニックに陥ったのか、適正判断を欠き、結果として、(売手の負担する仲介手数料のみの計算)で、(買手の負担する加算すべき仲介手数料)を加算していませんでした・・。その受験者は、受験前対策として条文内容を認識・理解していないわけではありません。
本試験時での”沈着・冷静・適正な読解力”が異常な環境下でも発揮できるよう、どのような出題記述に対しても失わないような”平常心”を鍛えることも、重要な通関士試験対策の一つです。
「輸入(納税)申告書」問題は、輸入貨物の「所属区分決定」と「評価価格」の両面での、”知識力”を問う内容のみならず”、近年の出題構成においては、”心理作戦”の側面を強く持ちます。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木