『特恵関税制度・ブラジルの”完全卒業”-「バイオポリエチレン」』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4653)
『特恵関税適用除外措置に伴う個別品目の関税率の見直しー(バイオポリエチレン)』
バイオポリエチレン(Bio-PE)は、サトウキビなどのバイオマスを原料として製造されたポリエチレンであり、バイオプラスチックの原料となっており、最終的にゴミ袋やラップフィルムなどに用いられている。
このバイオポリエチレンについて、我が国には国内生産メーカーが存在せず、現在、全量をブラジルからの輸入に依存している。
ブラジル産のバイオポリエチレンに対しては現状、特恵税率:2.6%、又は8.96円/Kgのうち低い税率(選択税率)が適用されてきたが、今年4月からブラジルの”特恵・完全卒業”でブラジル産品が特恵適用除外となっていることから、このままだと協定税率:6.5%税率が適用となる。
我が国は地球温暖化対策のためにCO2(二酸化炭素)削減の有効な手法としてバイオプラスチックの導入目標を設定しており、さらなる普及促進を図る必要があるという状況となっている。また、バイオポリエチレンは石油由来のポリエチレンと比べて高価格である状況を踏まえ、バイオポリエチレンの関税を従来の特恵税率の水準を下回る無税とすることが適当と考えられる。
一方、現在、廃棄物等を原料とした国産のバイオポリエチレンの実用化・量産化の可能性があることを踏まえ、基本税率の無税化ではなく、機動的に対応できる暫定税率による無税化が適当。
(記事出所:『平成31年度関税改正等ー財務省関税局関税課関税企画調査室長 2019/04)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木