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『基本税率の見直し』
通常、各輸入品目に設定している関税率は国際交渉を通じて見直すことが多いが、一部の品目については中長期的な観点から、物資所管省庁の要望等を踏まえて、必要に応じて見直しを行っている。4つの品目について税率の見直し等が行われている。①「ラミー糸」、②「剣道用の小手」、③「化粧品」、④「繊維製品」
【ラミー糸】
ラミー糸は植物のチョマ(苧麻)から作られる糸で、日本が中国から輸入して、これを原料に日本国内で麻製品をつくっている。こうした中で、最近ラミー糸の値段が急騰していて、その結果、国内の麻製品の値段も上がっている。ラミー糸の価格が高騰している要因としては、中国で原料となるチョマをつくっているわけだが、苧麻(チョマ)の畑が、他の換金性の高い農作物や食料に使える農作物に転作されていて、チョマの生産量が減っているがゆえに、ラミー糸の価格が高騰している。
一方で、日本国内でもわずかながらラミー糸はつくられているが、こちらは高品質で特定用途向けとなっている。たとえば、高級な寝具や革靴を縫い合わせる糸などに用いられているので、中国から輸入しているラミー糸とは競合しない関係になっている。
つまり、国内のラミー糸製造者の保護を勘案する必要性は薄いことになるので、国内麻製品の国際競争力維持の観点から、ラミー糸に設定されている:基本税率:「9.6%」を無税化した。
(記事抜粋:貿易と関税2018/04・財務省関税局関税企画調整室長 藤中康生 氏)
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