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『成田市場輸出拠点化推進協議会ー成田エアポート都市構想』
卸売市場の事例として、日本を代表する国際空港の近くで農水産物の輸出拠点化に取り組む成田市公設地方卸売市場=成田空港から西方8Kmの距離にある成田市場は開設から40年を経て設備の老朽化が進んでおり、成田市は2020年の再整備を機に同市場を輸出拠点へと転換させることを目指している。
このきっかけとなったのが、2014年に成田市が国家戦略特区に指定されたことである。指定に際し、同市は「エアポート都市構想」を掲げ、具体策の一つとして成田市場内で検疫、通関といった農産物の輸出手続きを一元的に行う案を示した。
特区指定を受けて成田市は、2014年に千葉県、関東農政局、同運輸局、成田国際空港株式会社、農業者、卸売業者、物流業者等と成田市場輸出拠点化研究会を設立し、輸出拠点化に向けた検討に入った。同研究会は、2015年に成田市場輸出拠点化推進協議会へと組織替えをした。
これまでの競技会の主な成果は、2015年に成田市場内で輸出手続きのワンストップ化の効果を実証したことである。輸出額は60万円と小規模であったが、植物防疫官と関東農政局職員の無償派遣を受けたうえで、農産物(なし、いちご、さつまいも等)の植物検疫や産地証明書の発行、爆発物検査などを市場内で行い、各手続きの同時進行および検査場所等への輸送時間の短縮を図った。この結果、集荷した農産物の輸出手続きを約90分で終えて成田空港に搬出することができた。
輸出先の英国では、小売店での物産展を開催したほか、現地バイヤーを招待して日本大使館でレセプションを行った。さらに、2016年にはマレーシア、米国、ドイツ向けにも輸出を行ったほか、成田市場の移転候補地を成田空港の滑走路脇に決定するといった進展もみられた。
[農産物輸出の拡大に向けてー産地間連携や輸出先の規制等への対応が鍵]
-MIZUHO みずほ総合研究所 堀 千珠 氏(政策調査部主任研究員) 2017/02/16-
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