(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4619)
【日本ワインの競争力】
(前号からの継続)~こうした状況から、今後「日本ワイン」市場を楽観的に見ていないワイナリーもいる。「グレイスワイン」を世界20カ国に輸出している、山梨県甲州市勝沼町にある中央葡萄酒の三澤茂計社長はその一人だ。
「『ワイン法』ができ、EPAで欧州への関税も撤廃された。これで『日本ワイン』は輸出しやすくなるでしょう。しかし、それと引き換えに、フランス、イタリア、スペインなどのワイン産地の関税もなくなり、輸入ワインの値段も下がります。彼らは産地が品質を保証しているワインを掲げて、日本市場を狙って国を挙げて売り込むでしょう」。
そうなると、『日本ワイン』が国内市場で戦っていくには、『日本ワイン』の産地に裏付けされた品質自体を上げなければならない。そう三澤氏は行方を予想する。
三澤氏は「日本ワイン」の品質を担保する仕組みとして、地理的表示(GI=Geographical Indications)保護制度の重要性を強調する。GIは、地域ブランド品を知的財産権として保護する制度で、肉や果物、日本酒など様々な生産物に対して、世界100カ国以上で運用されている。
例えば、「シャンパニュー・ワイン』(仏シャンパニュー地方)、「パルマ・ハム」」(伊パルマ県)、「ロックフォール・チーズ」(仏ロックフォール=シュル=スールゾン村)といったものもGIで、土地や地域の名前がブランドとして品質の保証となっている。日欧EPAでは、農産品や酒類のGIを相互に保護することが盛り込まれている。
(記事抜粋:河合香織(フリージャーナリスト作家) Yahoo特集(2019/02)
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