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「TPP(環太平洋経済連携協定)による”原産地基準”では、国内での飼育期間が海外より長ければ「国産牛」と表示できる」。
オーストラリアからの「Wagyu」子牛の生体輸入を開始する日本ハムと同様の取り組みをする食品卸の「マルイチ産商(長野市)」は昨年6月から、「信州白樺(しらかば)若牛」のブランドで販売。県内のスーパーなどへ卸す。首都圏での販路拡大を狙い、2月中旬に千葉市で開かれた食品展示会でPRし、注目を集めた。和牛とF1の中間の価格帯を目指しているという。同社は商社を通じて、年間250~300頭を輸入する。
背景にはテーブルミートとして一般的な国産乳用去勢牛の生産量が減っていることがある。酪農家で雌雄判別精液の利用が進み、2017年度は5万8000トンと、6年連続で減少した。
国内の子牛相場の高騰もあり、オーストラリアからの導入は生産費を抑えられ、東京都内の流通業者は「国産F1子牛より1割安い」と指摘する。
同国との経済連携協定(日豪EPA)で現在は、300キロ以下生体子牛が1頭3万0600円、その他は同5万1000円の関税が課せられている。TPP発効で生体輸入にかかる関税が16年目に撤廃されるため、仕入(輸入)コストが一段と下がる。
日本家畜輸出入協議会によると、2018年4月~2019年1月間の輸入頭数は1万2696頭。全てオーストラリアからので、2017年度通年を既に13%上回っている。
一方、国内では繁殖農家の高齢化で大幅な飼育数増頭は難しく、和牛や乳用後を継牛の確保を優先する傾向も重なっている。F1子牛などの相場は5年前の約2倍に高騰し、肥育農家の赤字要因となっている。
TPP発効は生体牛の輸入増加のきっかけとなり得る。国や産地は課題を今一度洗い出した上で、生産基盤の立て直しに必要な手立てが十分か検証すべきだ。
(記事抜粋:
鈴木薫子 氏ー日本農業新聞(The Japan Agricultural News )2019/02/26)
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