(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4570)
『中国人富裕層が求めているものとは?』
かつて、”爆買い”という言葉が話題になり、中国からの多くの来日観光客が、「炊飯器」、「トイレ便座」、「紙おむつ」、「ブランド品」、「サプリメント」、「医療品・化粧品」などを、数十万円~100万円単位で買って持ち帰る。今の中国ならば、国内でも買えそうなものもあると思えるが、「炊飯器」などは、我々が普通に買うモデルではなく、日本人でも簡単に入手できないような高級モデルの価格が10万円を超えるものが多いようです。
このように彼らが買い求めるものから、ある傾向を読み取ることができます。その傾向とは、”質の高い商品を求めている”ということです。そして”値段は気にしません”。
いくら価格が高くても購入していきます。場合によっては、高いからこそ購入するのです。
ここでは中国国内市場の影響が関係しています。
中国の経済は近年、急速に発展してきました。一般的に経済が発展すると同時に国内産業・市場も成熟して行くものです。それで市場に出回る製品の質も徐々に上がっていき、消費者の目も厳しくなっていきます。企業は消費者の需要と審査眼に応えるために良い商品とサービスを生み出さないと生き残ることができません。
しかし、残念ながら中国ン国内市場はこうした良い循環ができていません。多くの新興企業が目先の利益を優先し過ぎるために、製品の研究開発に時間・経費を投資するのではなくて、模倣品を作って市場で売り捌くことを行います。
そして中国の場合、貧富の差の大きい階級社会ですので、富裕層は価格が高く質の良い高級品を求めます。そうでない人たちは粗悪だけど安い商品を求めますので、粗悪な商品でもある一定の利益を得ることができます。
それで、”爆買い”をする中国人は富裕層に属する人達です。値段はきにせず=むしろ価格の高い物を選び、品質の良いものを欲しがります。高くても品質の良い商品を準備することです。そこにビジネスチャンスがあります。この中国の階層的な経済状況は、まだしばらく続くと思われます。
(記事参考:前川研吾 氏(汐留パートナーズ)2019/02/25
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「”富裕層マーケット”という新たな経営戦略を検討してみることも一考と思えます」。
「アジア新興国マーケット」という巨大市場全体への”量”で捉えるのではなく、新興国のどの階層の市場をターゲットに経営戦略を組み立てるか?という、”薄利多売からの脱却”もアジア新興市場を考える時の選択肢の一つです。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木