『養鶏産業(ブロイラー)のインテグレーション(垂直統合)』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4501)
『養鶏インテグレーション(垂直統合)』
インテグレーション(Integration)は、数学では積分法ですが、「統合・集大成」という日本語の意味になります。
「農産物市場」においては、豚や鶏、特に鶏肉(ブロイラー)で、総合商社や飼料メーカーが中心となり、長期契約や資本系列化を通して資材供給、家畜飼育、処理加工、卸小売りの”川上~川下”までの諸段階を垂直に統合するに業態が表れている。これが、いわゆる畜産インテグレーションである。(契約農業)
【詳細】
養鶏インテグレーションとは、ブロイラー・産卵鶏の生産・流通に関わるさまざまな部門、すなわち、飼料・医薬品の生産・流通、ブロイラー・産卵鶏の育種・飼育、屠畜解体処理加工、販売など、川上から川下までの部門を統合した大規模生産・流通システムです。
養鶏産業におけるインテグレーション(垂直統合)は、大手総合商社や食肉流通販売業、農協等が、素雛、飼料等の飼育資材をブロイラー生産農家に供給し、生産したブロイラーの処理・加工・販売までを一貫して行う業態であり、現在の鶏肉生産のほとんどが”契約養鶏”も含めたインテグレーション化された生産構造の中で行われている。
※
企業が生産する製品やサービスは、垂直的に連鎖する事業活動によって作り出されている。その活動は、原材料の獲得、中間製品の製造、最終製品の製造。販売と流通、販売後のアフターサービス等よりなるが、これらの事業活動の総体をある製品の価値連鎖(Value Chain)という。ある製品が最終消費者に販売されるためには、そのバリューチェーンに含まれる個々の活動すべてが実行されなければならないが、”契約栽培”・”契約飼育”にみられるよう、一つの企業によって全てが担われる必要はなく、他社に委ねる(委託契約)することも可能である。
【前方垂直統合:後方垂直統合】
企業が垂直境界を拡大するには、二つの方向性がある。企業が産業の川下部門の業務を統合する場合はには「前方垂直統合」という=例えば、鶏肉産業において、鶏肉加工部門が流通部門を統合するのは前方垂直統合であり、逆に鶏肉生産部門を統合する場合は「後方垂直統合」となる。
養鶏農家が、「食肉メーカー」と委託飼育契約を結ぶか、「大手食品販売企業」との飼育委託を結ぶかの違いになってきます。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」K・佐々木