『2018年に先進国の仲間入りした中国。”牛肉消費”はさらに増加』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4608)
中国国内の各食用肉の消費量を1990年を100として指数化してみると、中国国内では圧倒的に豚肉の消費が多く、次いで鶏肉、牛肉となっていますが、牛肉の消費が急激な増加傾向を示しています。逆からみると、鶏肉は2012年ごろ、豚肉は2014年ごろに消費が頭打ちになった可能性があります。つまり、今後の中国国内の食肉消費を考えた場合、「牛肉の消費の伸び」に最も留意しなければならなく、豚肉と鶏肉の消費については現状維持あるいは低下することが想定されます。
『2018年に先進国の仲間入りした中国。牛肉消費はさらに増加』
中国の一人当たりGDPは、IMF(国際通貨基金)によれば2017年時点でおよそ8,600ドルですが、2018年に1万ドルを超えていると思えます。今年、中国で牛肉消費の伸びがさらに加速、それに従い、飼料用で用いられる大豆の消費量の増加に伴い、大豆輸入量の伸びが加速すると考えられます。
中国の一人当たりのGDPが今年本当に1万ドルに到達するのであれば、中国の大豆輸入量に拍車がかかるのは今後数年以内などではなく、「まさに今」という温度感だと考えられます。
今、中国は牛肉消費の本格的な急拡大を前にして米国産大豆の輸入拡大を、米中貿易戦争の激化を避けることと同時に成し遂げようとしていると言えます。
貿易戦争回避のために、大豆や原油の輸出入拡大が政治決断でなされたように、こういった国際商品の需給は、当事者国の政治動向にも影響を受けます。
国際商品の価格推移は、国際商品が本来持つ需給動向とともに、政治動向の両方に注目する必要があると思います。
(記事抜粋:吉田 哲 氏 週刊コモディティマーケット 2018/05/28)
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