(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4559)
『日本国のバランスシート分析 政府資産世界一、徴税力も強大』
ここで素朴な疑問が浮かぶ。民間企業であれば、資産より債務の方が多い「債務超過」状態は倒産の危機と見られる。かつて、日本航空(JAL)が経営破綻(会社更生法申請)した時のバランスシート(2010年1月決済)は、資産9,718億円に対して、負債2兆6,852億円。差引き1兆7,134億円の債務超過だった。
日本の国家財政は政府の資産を全部売ったとしてもまだ500兆円近い借金が残り、完全な債務超過だ。それは破綻の危機ではないのか。高橋氏の反論は明快だ。
「ほとんどの国のバランスシートは債務超過です。それでも企業と違って破綻しないのは、政府に徴税権という言わば”見えない資産”があるからです。日本の場合、少なく見積もっても毎年30兆円の税収(国税)がある(2017年度は57.7兆円)。
徴税力のある国の徴税権を評価する場合、われわれ専門家は税収の25倍と計算する。税収が年間30兆円ならば750兆円、税収4兆円とすれば1,000兆円の見えない資産があるわけで、それを加味すると日本は全く債務超過国ではない」。
住宅ローンで例えれば、定年も寿命もないサラリーマン「何年先も安定した収入にある国)は、より大きなローン(負債)を抱えても大丈夫というロジックだ。
確かに、日本人ほど政府の言いなりに税金を真面目に払う国民はいない。高橋氏の指摘のように「徴税権」を750兆円の債権として国のバランスシートに計上すれば、資産と負債の差額は260兆円のプラスになる。日本とギリシャの違いもここにある。
「徴税権の資産価値は政府がちゃんと税金を徴収できるかにかかっている。ギリシャは日本と違って政府の徴税力が低いと見られているから国債の金利がハネ上がって財政が破綻した」。(高橋氏)
6年前のギリシャ危機の際、同国の国債(10年物)は約35%の金利を付けなければ買手がつかなかったが、現在の日本国債(10年物)の金利はほぼゼロ。これが徴税力という国の信用の差であるという説明だ。 (完)
(記事抜粋:高橋洋一 氏・NEWSポスト 2017/01/09)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木