(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4550)
今国会で成立を急ぐ、「入管法改正」の審議中断が大きな話題となっています。要は、我が国の労働者不足により、外国人労働者の受け入れ緩和拡大をめぐる審議ですが、少子高齢化による我が国の人口減(労働人口不足)を改善しなければならないとする一元的な方向性しかあり得ないのか、私には理解できません・・。
江戸時代の300年を通じ、明治維新時の日本の人口は約3,000万人でした。現状の当時の4倍強の1億3千万人の人口に至ったのは、明治維新後の150年間の異常な膨張に過ぎません。
「入管法改正の是非」の前に、「日本の適正将来人口への政策指針」が先であるように思えてなりません・・・。
「人口減少で日本衰退」論のまやかし、ではなぜ日本の適正人口を語らないのか?」
私が不思議でならないのは、「日本の適正人口は何人?」とは誰も言わないことです。
本来、「多い」、「少ない」とか、不足しているとかいう尺度は適正な人口に対して使う尺度であり、もし今の食料自給率が政府が発表している約40%として、これを100%にするという論点で言えば、人口が半分の6,000万人になっても「まだ多い」という計算になります。
さらに現状の農家の高齢化を考えれば、食料の自給率は今後ますます下がると考えた方がよいかもも知れません。
実は日本の国土面積は、欧州各国と比べて決して小さくありません。。ドイツは日本とほぼ同じ面積に8,000万人、英国とイタリアは日本より一回り小さい国土に約6,000万人、英国とほぼ同じ面積のニュージランドは450万人の人口です。
これらの国の国土に占める耕作や居住可能な平地や丘陵の割合はとても高いのが特徴で、ドイツ、フランスが約70%、英国にいたっては90%近くが居住可能でな地域です。一方、日本は国土の70%が居住にも耕作にも適さない山岳地帯であり、居住が可能なのは国土の30%に過ぎません。そのニュージランドの半分にも満たない平地に30倍近い1億2,700万人がひしめいているのが日本の現状です。どう考えても、「国土面積と人口のアンバランス」の是正を目指すのが、日本の政府の将来緊急課題であるはずです。
ちなみに、「日本は衰退する・・」と言ったリー・クアンユー氏の母国シンガポールの人口は、東京23区とほぼ同じ面積の国土に530万人です。人口が少ない国は衰退するというなら、シンガポールの繁栄の説明がつきません・・・。
(記事参考:庭山一郎 氏・シンフォニーマーケティング(株)代表取締役 2015/11/15)
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仮に、現・安倍首相が「明治維新期と同じ3,000万人の人口で、現在と同じGDP世界第3位の経済力を誇る経済国家となるよう、人口削減策を今後の政策指針とする」と言ったならば、諸手を挙げて賛成します! 突然に「入管法改正」が飛び出してくるのは、どうみても~、指針無き、審議不十分であり、「外国人労働者の受け入れ」云々の前段階過ぎないと思えてなりません・・。
「日本が日本であった原点」、それを抜きにしての、諸問題の先送り・その場繕いは、それこそ、リー・クアンユー氏の言う「日本は衰退する・・」にしか他ならないような気がします。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木