(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4547)
前号では、「ナマコの密漁対策」における関税法改正(罰則・罰金の強化)の話題でした。以外とも思えますが、平成26年に神戸税関が、「乾燥ナマコの輸出について」というトピックスを組んでいます。
なぜ、ナマコが”隠れた輸出品”としてこれほどまでにアップされるのでしょうか?
(輸出量=749トン、輸出額=207億円)-平成29年度
日本では生食(酢の物)が一般的ですが、中国などでは乾燥させたナマコを水で戻して調理します。栄養豊かな日本の海で育ち、丁寧に乾燥加工された日本産ナマコは、最高級品として、その外見と価値の高さから「黒いダイヤ」と称される”乾燥ナマコ”です。(輸出取引価格=2万8千円/1キロ当たり 北海道産や青森産の高級品は、更に高額で輸出されていると思えます。)
(※) 贈答用化粧箱に入った最高級品の国内価格は”5個で1万3千円!”で売られています・・.
☆ ”乾燥ナマコ”は輸出品目として、「輸出統計品目表」に掲載されています。
第4部第16類ー肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品 [1605.61-100]=なまこ
乾燥ナマコの主な輸出相手国・地域は、香港と中国でほば占められています。乾燥されたナマコは、3日ほどかけて水で戻され、高級なものは丸ごと姿煮にして現地のレストランで提供されます。昔から正月のお祝いの席などで食されていましたが、中国の生活水準の上昇とともに最近は家庭料理としても消費されるようになっています。
中国でナマコは朝鮮人参に匹敵する滋養のある食べ物としてとして[海参(ハイシェン)」と呼ばれ、江戸時代にはすでに[俵物三品(たわらものさんぴん)」として、(フカヒレ)・(乾燥アワビ)と並んで日本から中国(清)へ輸出され、宮廷料理として食べられていた歴史があります。また、子供が風邪を引いた時に食べさせたりする習慣もあり、食や健康に関心の高い中国の人々にとって、乾燥ナマコは中国の食文化を形成する特別な食材となっています。
(記事抜粋:神戸税関ー”神戸港の全国シェア” 平成25年6月18日)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木