(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4542)
『日本での”小さな農業”の再評価』
日本でも海外で再評価される小さな農業の重要さを主張する農家が出てきました。
その先頭に立つのが九州の農家や市民た立ち上げた「小農学会」です。小農学会は、「大規模・企業優先の政策が進むと農村が消滅する」と現在の農政へ疑問を呈しています。そしてもう一つの農業の道として、「小規模・家族経営・農的暮らしなどの多様な農業が農村を残す道である」と主張します。
「中山間地が多い日本では共同で農村を維持してきたが、企業的農業だけでは農村は守れない。また企業が参入しても採算が取れず出て行けば農村が消滅してしまう。一方で小農は自然を有効に活用し、食料自給率の向上や食の安全を保障し、農村を守る」
『問題なのは、農業現場と農政のズレ』
問題は、地域独自の取り組みや小さい農業の実践が注目されない点です。日本の農業は中山間地主体で小さな農業が主体となりこれまで維持されてきました。日本の農業・農村を考えるのであれば、今こそ農政の足元を見直し小さな農業の評価を検討することが不可欠と言えるのではないでしょうか。
世界では、小さい農業を支援する政策の取り組む国々が増えています。国連は各国が小規模農家支援に取組めるように小規模政策のモデルを紹介し始めました。世界で最も農業の大規模化が進む米国でも小規模農家への支援策が1980年代から継続されています。そうしないと農業・農村が維持できないというのが、主な理由とされています。
未来の農業・農村のあり方を考え、食料を確保していくためには、日本は多様性を持つ”小さな農業”を守って農村の維持を目指していくことが必要だと考えます。
そのためには、日本の実態に合ったバランスのよい農政の展開が、今求められているのではないでしょうか?
結局、既存の農政とは政権獲得での”票田”であって、本来の食料自給率の向上とか、農村コミュニケーション維持政策とは、大きくかけ離れたものであったように思えてなりません。
他のアジアでもなく、欧米でもなく、それらの国々の人々がなぜ、高価な日本の農産物に興味を抱き、交通不便な中山間村へのグリーン・ツーリズムを目指すのか? ここを欠いた農政は、さらなる深みに陥ることになるよう感じます・・。
(記事参考:松平尚也 氏ー京都大学農学研究科 2018/11/01 YAHOO JAPAN)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木