『質疑応答事例(関税評価)・「買手が行う材料の検査に要した費用」』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4290)
税関HP 質疑応答事例(関税評価)
『買手が行う材料の検査に要した費用』
(売手が行うこととされている場合)』
【照会要旨】
当社(買手)は、売手からセーターを購入(輸入)します。
輸入貨物は売手の工場で生産されますが、材料である毛糸は売手が輸出国のメーカーA社から購入したものが使用されます。
また、当社との売買契約において、売手は、毛糸を購入する際に、その毛糸が契約に定める品質及び強度を満たしているか否かの確認を検査機関による検査により行うことが取決められ、当社は貨物代金とは別に売手に検査費用を支払うこととなっています。
今般、売手から、この毛糸の検査を当社が指定する検査機関で行いたいとの要望があったことから、当社は、以前検査を依頼した輸出国の検査機関にこの毛糸の検査を売手に代わって依頼することとし、この検査機関へ購入する毛糸のサンプルを送付するよう売手に依頼しました。
検査機関からの検査結果は、直接売手へ報告されますが、検査費用については検査機関から当社へ請求されており、当社はこれを支払います。
輸入貨物の課税価格を計算するにあたって、当社が検査機関に支払う毛糸の検査費用は、現実支払価格に含まれますか?
【回答要旨】
上記の取引において、貴社が検査機関に支払う毛糸の検査費用は、輸入貨物につき、買手により売手もために支払われるものと認められますので、現実支払価格に含まれます。
(理 由)
「現実支払価格」とは、買手が売手に対して又は売手のために、輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみてその輸入貨物の輸入取引をするために現実に支払った又は支払うべき総額をいい、売手の債務の弁済等の間接的な支払いの額を含みます。
上記の取引において、検査機関による毛糸の検査は、貴社(買手)の依頼を受けて行われています。
しかしながら、貴社は、輸入貨物の売買契約において売手が行うこととされている検査機関への依頼を、売手からの依頼に基づき、売手に代わってその検査機関への依頼をしているにすぎないことから、その検査は、検査機関が貴社のためにではなく、売手のために行っていると認められます。
したがって、上記毛糸の検査に要した費用は、その輸入貨物について売手のために支払われるもの(売手への間接支払)であり、その輸入貨物の現実支払価格の一部を構成します。
【関係法令通達】
・関税地率法第4条第1項
・関税定率法施行令第1条の4
・関税定率法基本通達4-2(1)、4-2の3(1)
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