『HS条約品目表⇒(統計品目表)・(実行関税率表)ー②』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4263) 通関士試験・実務科目においての
『輸出入貨物分類問題』は、10年前後以前までは、”具体的な個別商品の所属区分”とする出題が中心でした。
当時は、現在のように”モノ作りのグローバル化”も進展拡大しておらず、輸出・輸入される貨物や商品が限定的な限られた物品であったとも言えます。そのため、ある受験対策スクールにおいては輸出入貨物の所属区分の
「早覚え替歌CD」を発売しているところもありました。
しかしながら、当時において、現状のあらゆる原材料や様々な商品が世界を駆け巡る現状の到来が予測ができなかったとはいえ、以前の通関士試験において「個別物品毎の所属区分の暗記」を中心とする行政の方向性は、今となっては、大きな過ちであったと言わざるを得ません。大事なのは、「どのような規定(判断基準)で、輸出入貨物分類(所属区分)が決められるのか?」の国際統一解釈基準の理解を促す行政的な方向性であり、それに基づく通関士試験の試験問題でなけねばならなかったはずです。
「輸出入物品の分類(所属区分)」がある理由は大きくいうと、四つの要因があります。
1.「統計品目表」:通関ベースとする物品・国別の
”貿易統計”のデータ公表。
2.「実行関税率表」:関税や内国消費税の課税の
税率決定。
3.「関税譲許」:一般特恵関税やEPA(経済連携協定)等における
関税譲許物品の確定。
4.「
原産地基準」:「
輸出入禁止物品」の特定など。
これらは、従来においては、「各国・地域ごとの税制度や安全保障政策」により規定されていましたが、現状においては、特に、EPA(経済連携協定)における特別特恵(関税譲許)の拡大進展に見られるように、締約国同士間の
”共通した物品分類認識”がなくしては関税譲許が成り立ちませんし、また、国際統一認識に基づいての安全保障に係る物品の輸出入禁止物品規制も遂行することができません。
☆
我が国において具体的に湯収入物品分類=所属区分を規定するものは「統計品目表」であり「実行関税率表」ですが、その基となるものが輸出入物品の国際統一解釈を定めた
『HS条約品目表』です。
HS条約品目表における物品の所属区分=(分類)の考え方を定めたものが
、『関税率表の解釈の通則(1~6)』です。
※
通関士試験の出題において、従来の「輸出入物品の個別ごとの分類」に係る出題から、「関税率表の解釈の通則(1~6)」の原則の理解を問う試験問題を主とする出題に大きく変化しています。この部分を理解しないで、突然に過去問題の申告書作成問題や所属区分に係る問題に取組んで、
”難しい・・、判らない、どうやって学習すればよいのか・・”という嘆きに対しては、
「それは学習方法の順番をまったく理解していない、ムチャクチャな受験対策です。」と言うほかありません。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木