(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4410)
『米国で「クレジットカード利用』に急ブレーキ、「生活防衛的」な消費態度を浮き彫りに?』
米国でクレジットカードの利用に急ブレーキがかかっている。背景には債務残高の膨張とクレジットカードの貸倒償却率の上昇があり、金融機関の収益とともに個人消費の先行きに暗い影を落としている。さらに、自動車ローンも膨らんでいることから、過剰債務が家計の重しとなり、消費を抑制する可能性が高まっている。
◆債務膨張で「返済を優先する」動きが表面化!?
1月の米・消費者信用残高(クレジット・ローン貸出し残高)は年率換算で前月比1669憶ドル増と12月(2305憶ドル増)から大きく減速した。伸び率でみると12月の6%増から1月は4.3%増と低下、年明けとともに情勢に変化が生じている。
特に注目されるのが、クレジットカードを含む「リボ払い」で、前月比0.8%増と前回(7.2%増)から大幅に縮小している。文字通り急ブレーキがかかった様相である。
◆信用リスクは「サブプライム層」から始まる。
クレジットカードの利用に急ブレーキがかかっている原因の1つとして有力視されているのが「米国銀行の貸倒償却率の上昇」である。=(融資先顧客の破産による融資金の回収不能による銀行の”損金処理”)米国の銀行全体では3.6%と上昇基調にある。特に小規模銀行に限ると貸倒償却率は7.2%に跳ね上がり、1年前の4.5%、2年前の3.4%からこの2年で大きく伸びている。
大手銀行はおど魅力的なオファーを出せないことから、小規模銀行はどうしても信用力の低い顧客にも貸出しをせざるをえない。
「信用リスクの始まり」は、当然のようにサブプライム層から始まると考えられるので、小規模銀行の貸倒償却率の上昇が大手銀国にも波及するリスクを軽視すべきではないであろう。
◆「生活防衛的」な消費態度が浮き彫りに
米消費者はこれまで、貯蓄率の低下と借り入れの拡大で「所得を上回る消費」を続けてきたが、クレジットカードの利用減少や自動車販売の不振などを考え合わせると、こうした”消費型米国の消費行動”に曲がり角が訪れていると考えられる。
米国の貿易赤字の拡大で成長率が押し下げられる公算が大きい中で、1月は耐久財受注や鉱工業生産もマイナスとなっている。ウオール街では個人消費の減速と合わせて「1~3月期のGDP成長率が想定外に低い伸びにとどまるのではないか」と懸念する声も出始めており、米株価の先行きにも暗い影を落としている。
(記事抜粋:NY在住ジャーナリスト・スーザン・グリーン 「ウオール街特急便」ZUU Online 2018/03/11)
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いずれにしても、「世界の消費をアメリカが支える!」とする”消費大国=アメリカ”が国内消費の低迷に陥っている転換期の中で、秋の選挙も睨んだ「貿易戦争」の駆け引きはを米国・中国共に、”折り合いを求めてのせめぎ合い”を続けるものと思えます。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木