『日本には”一泊10万円級”の旅館が足りない!?』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4402)
「プチ富裕層」の中国人観光客が増えている。人気が高いのは「温泉旅館」。だが不満もあるという。「日本の旅館は安すぎる。日本には『一泊10万円』くらいする旅館が少ない」と話す。どういうことか? 我々日本人が聞くと「えっ?」とビックリするところではないかと思えます。
「プチ富裕層の中国人は、そのように感じていると思います。今、一泊2万円の旅館が、明日から3万円になったとしても、さほど違和感は覚えない。日本の大きな問題は、富裕層を満足させるような高級リゾートがないことでしょう。例えば、バリ島の五つ星ホテルはラグジュアリ―感がとても高い。日本にももっと高級なホテルがあっていい。ニーズはすごくあると思います。一泊10万円くらいのホテルは、日本では最高級の部類でしょう。でも、世界の高級リゾートに比べると、驚くような値段ではありません」。
日本でサービスやモノの値段が安いのは、サービスを提供する側は「お客様のため(高すぎてはいけない)」という利用者側の立場に立った意識が強く働いていることと、世間一般では、モノやサービスの値段が青天井に高く吊り上がることに対して、抵抗を感じる人がいること。そういう日本人の総中流意識、文化の違いなども背景にある、と思われます。かなりのお金持ちであっても、100万円の商品をお歳暮で差し上げるということは、日本人はあまりしないと思います。日本人の間で「これはだいたい、これくらいの金額(相場)」という意識や、目に見えない枠組みのようなものがあるという気もします。
◆「心をつかむためには、今の中国社会への理解が不可欠」
中国人客が日本の高級店で料理を食べたり、高級な旅館に泊まったりすることの背景には、何でも「ランキング」で判断するという習慣があると指摘される。
中国では60~70年代に「文化大革命」があり、それまでの歴史や文化、価値観がすべてリセットされてしまいました。伝統的な価値判断の基準が無くなったところへ、急激な経済成長がやってきて、何でも数字で判断するようになった。拝金主義の蔓延を批判する意識が高っていると言っても、「自分なりのものさし」を見つけるには、まだしばらく時間がかかると思います・・。
「たくさんのお金を払ったのだから、特別扱いされて当然だ」だという中国人の声があり、たくさん払った人も、少ししか払わなかった人も、同じように大切に扱う日本のサービスを、少し不満に感じてしまう・・。
日本はそこまでの競争社会ではないので、とくにお客様に対しては、何でも平等、公平というところがあると思いますが、日本人が良かれと思って行った「おもてなし」が、相手に通じなかったり、理解されなかったりする、というのは大変残念なことです。
要は、相手がどのような社会環境で暮らし、どういうふうに考えているのか。まず相手の状況を理解し、相手の考え方をリスペクトすることが、とても大切なことだと感じています。
(記事抜粋:中島 恵 氏(フリージャーナリスト):プレジデントオンライン 2018/03/08)
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