(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4420)
【世界の食品取引きと我が国の現状】
食品事業のグローバル化により、食品安全が世界共通の課題となっているなか、米国、EU、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾では、HACCP制度が順次義務化されています。
[欧米におけるHACCP規制状況]
(米国):1997年施行 水産物、畜産物等特定の品目に義務化。
2016年施行 食品安全強化法(FSMA)の施行により「HACCPの概念を取入れた計画の策定と実施]が義務化される。
(EU) :2006年施行 EC規制852/2004の施行により、既にHACCPが義務化されている。
日本の食料自給率は、約3割に留まっており、輸入食品の安全性確保は非常に重要な課題となっています。輸出国に対してHACCPによる衛生管理を求めていくためには、内外無差別の観点から国内でのHACCP導入が前提になります。(輸入品に対して科学的な根拠なく、自国の規制より厳しい規制は適用できません)
また、輸出や海外への事業展開を行うにあたり、国際的に適用する規格の認証を求められた場合に、HACCPを含んだ海外の規格を使わざるを得ないのが現状です。
このように、HACCPは世界的に普及が進展していますが、日本での普及率は低いのが現状です。
HACCP導入型基準の導入、日本初の食品安全マネジメント規格・認証規格構築を目指した一般社団法人・食品安全マネジメント協会の設立など、国際標準に対応した管理及び規則の構築が進んでいます。
【国内の認証制度】
1)総合衛生管理製造過程承認制度
HACCPの概念を取入れた衛生管理であり、厚生労働省が1995年に食品衛生法第13条1項に規定して開始した食品の安全管理における認証制度です。承認対象と品目は「乳、乳製品】、「食肉製品】、「魚肉練り製品」、「清涼飲料水」、「レトルト食品」があり、現在495施設(718件)が承認取得してます。(平成28年3月末時点)
2)自治体HACCP
各自治体(都道府県、政令指定都市等)が食品関連事業者を対象に、HACCPの考え方を参考にして独自に基準を設け認証している制度です。現在、約20の自治体が実施しているが、自治体ごとに特徴があり、統一されたものではありません。
3)業界HACCP
一般社団法人大日本水産会、一般社団法人日本鶏卵業界などの業界団体がHACCPの概念を取入れた業界独自の基準を設け認証している制度です。
4)大手小売業者によるHACCP
大手小売業者や食品流通業者等が、HACCPの概念を取入れた衛生管理基準を定め、取引先となる食品製造事業者に取引基準として要求するものです。
(記事抜粋:一般社団法人・東京顕微鏡院 食と環境の科学センター・食品安全サポート部 2016/06/01)
(参考)
【HACCP】=(Hazard Analysis and Critical Control Point)
”ハサップ”と日本語読みされる場合もあるが、食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード:Hazard)を分析し、それを最も効率よく管理できる部分(CCP:必須管理点)を連続的に管理して食品安全を確保する管理手法である。
もともとは、1060年代の米国のNASAがアポロ計画での宇宙食の安全管理を確保する方法として確立したものであり、これを現在多くの食品の安全性確保に応用している。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木