『関税評価ー「代替品として輸入される無償貨物の課税価格」』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4268)
『代替品として輸入される無償貨物の課税価格』
【照会要旨】
当社(買手)は、売手からフェイスマスクを購入(輸入)しましたが、輸入後にカビが発生していることが判明しました。売手と協議した結果、その貨物を廃棄処分とし、その代替品として、廃棄処分した貨物と同一の貨物が、翌週に無償で送られることとなりました。
売手から当社宛てに送付された代替品の仕入書価格は、売手が便宜上設定したもので、前回輸入した貨物の仕入し価格の1/10の価格となっています。
輸入貨物である代替品の課税価格は、仕入書価格(前回の1/10の価格)を現実支払価格として計算できますか?
【回答要旨】
上記の取引きにおいて、貴社が輸入する代替品は無償貨物であり、”輸入取引きによらない輸入貨物”ですので、現実支払価格に基づく【輸入貨物の取引価格による方法】により課税価格を計算することはできません。
(理由)
輸入取引により輸入される貨物の課税価格は、原則として、現実支払価格に運賃等(加算要素)の額を加えた取引価格となりますが、「輸入取引」とは、本邦に拠点(住所、居所、本店、支店、事務所その他これらに準ずるもの。)を有する者(個人であるか法人であるかを問わない。)が買手として貨物を本邦に到着させることを目的として売手との間で行った売買であって、現実に当該貨物が本邦に到着することとなったものをいいます。
上記の取引における前回輸入した貨物の代替品は無償貨物であり、輸入取引き(売買)によらない輸入貨物ですので、原則的な方法である「輸入貨物の取引価格による方法」により、その課税価格を計算することはできません。
したがって、関税定率法第4条の2(同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法)以下の規定により課税価格を決定することとなります。
なお、上記の取引における代替品は、前回輸入した貨物と同種の貨物であり、その同種の貨物の本邦への輸出の日に近接する日に本邦へ向けて輸出されたものですので、前回輸入した貨物の課税価格が「輸入貨物の取引価格による方法」により計算されたものであれば、その前回輸入した貨物の取引価格により課税価格を計算することとなります。
【関係法令通達】
関税定率法第4条第1項、第4条の2第1項
関税定率法施行令第1条の10
関税定率法基本通達4-1(1)、4-1の2(1)イ、4の2-1(1)、(3)、(4)
(記事出所:税関HP 質疑応答事例ー関税評価)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木