(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4251)
本試験まで残る一カ月となるこの時期となると、「通関実務科目への対応不足・・」への焦りが高まり、申告書等の問題に集中して「関税法等試験科目」への演習がないがしろとなりやすい時期です。
例年の合否基準は「各科目ともに満点の6割以上の正解」が標準となっていますが、現状の問題形式において、6割以上の正解を得ることは思うほど簡単ではありません。「択一式問題」、「五肢選択問題」ともに、得点に繋がらないような(ミスを誘う)伏線があちこちに仕掛けられています。
【問題】
「総合保税地域に入れられた外国貨物のうち、総合保税地域における販売又は消費を目的とするものに対し関税を課す場合の基礎となる当該貨物の性質及び数量は、総合保税地域に置くことが承認された時における現況による」
【回答】
× 設問の記述は誤っている。
【解説】
総合保税地域に入れられた外国貨物のうち、当該貨物を販売又は消費することを目的とするものは、当該貨物を入れることの届出がされた時(置くこと承認された時ではない。)の現況によって課税物件が確定することになっている。
(関税法第4条第1項第3号の2、第62条の1)
【販売・消費を目的として保税展示場・総合保税地域に入れられた貨物の課税物件の確定の時】
1)保税展示場において、販売・消費、加工、製造、有償で観覧又は使用される貨物
ー保税展示場に外国貨物を入れることの承認の時
2)総合保税地域において、販売・消費、有償で観覧又は使用される貨物
-販売用貨物等を入れる届出がされた時
3)総合保税地域に置くことの承認を受けた貨物で、展示・使用等の理由により
価値の低下があった貨物で税関長の承認を受けたもの
ー輸入申告の時
☆
『総合保税地域』は、「保税蔵置場」=外国貨物を置くこと、「保税工場」=外国貨物を加工すること、「保税展示場」=外国貨物を展示すること、いずれもができる場所して許可された一連の保税地域であり、単独の施設・設備の「連合保税地域」ではなく、”外国貨物を置く、加工、展示”するといずれのことをすことが許されているという保税”機能の総合地域”です。
※
設問中の「販売・消費を目的として~」という記載だけを安易に捉えて、「保税展示場」の規定に走り、「総合保税地域」との差異を失念しやすい注意すべきポイントの1つではあります。 「五肢選択肢問題」においては、このような受験者が”誤りやすい箇所”をその選択肢の一つに組合わせてくるのが、近年での出題の特徴となっています。
(※)
この記述が、「保税展示場」と「総合保税地域」の両方の”課税物件の確定の時」に出て来る言葉であり、この二つの保税地域はその機能が異なることを失念しています・・・。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木