(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4113)
昨年春、財務省は
「一万円札」の需要が増えていることを受け、2016年度の新札刷枚数を、昨年より7%多い12億3000枚とすることを決定しました。前年度より増刷されるのは8年ぶりで、増刷枚数は1億8000万枚(1兆8000億円)相当となります。
電子マネーやクレジットカードが普及し、日常で現金を使う場面が減っている今日、なぜ1万円札の需要が増加しているのでしょうか!?
【”タンス預金”の残高は約40兆円】
日本銀行の統計によると、2016年2月の流通通貨量は約90兆2000億円。前年度比で6.7%増と、2013年以来13年ぶりの高い伸び率を記録しました。なかでも1万円札は約7%と、5千円札(0.2%増)や千円札(1.9%増)と比べて突出した伸びを見せました。
一万円札の流通・需要増の要因は、マイナンバー制度やマイナス金利政策への不安感から、自宅でまとまった現金を保管する
「タンス預金」が広まったためとみられています。
金融業界の試算では、現在、国内のタンス預金の総額はおよそ40兆円!
現金の全流通量の半分近くが、家庭のどこか(タンス?)で眠っているとは、ちょっと驚きですね。
【マイナンバーのある施策が影響?】
ご存じの通り、マイナンバー制度は行政手続きの効率化とともに、災害時の支援面などでも大きなメリットが期待されます。その一方で、多くの人が懸念しているのが、2018年以降に運用される「マイナンバーと預金口座の紐付け」です。これは、マイナンバーを個人の預金口座に運用することで、税務調査の厳格化や社会保障の不正受給防止などにつなげるという施策です。
こうしたことから、マイナンバーで資産情報を把握されることを嫌い、自宅に現金を置く人が増えているというのです。
【現金回帰に拍車をかけるマイナス金利】
さらに、「マイナス金利の導入」も現金回帰の動きに拍車をかけているようです。
2016年1月、日本銀行がマイナス金利の導入を発表し、主要銀行の普通預金の金利は0.001%まで下がりました。これほどの超低金利(100万円預けて1年に付く金利は100円程度)となれば、「わざわざ預金をするメリットがない」⇒「手元に現金を持っていても損はない」というわけです。
加えて、「マイナス金利=逆に金利を取られる」というイメージが預金者に不安感を与え、タンス預金を拡大させているという見方もあります。
このマイナスイメージは大きな間違いです。そもそもマイナス金利とは、金融機関が日銀に預ける資金の一部に、年0.1%の手数料を設けるというもの。民間の銀行利用者の預金金利がマイナスになるわけではありません。
【タンス預金の拡大で、以外なモノが売れている!】
今年度の紙幣増刷は、4年目に入った日銀の金融緩和で、物価上昇率の目標が達成されていないことを受けた対応措置ともいわれています。日銀の緩和策は、世の中に出回るお金の量を増やして景気をアップさせようとする考え方ですが、マイナス金利などの不安材料もあり「どんどんお金を使ってまわそう」というムードには至っていないようです。
ちなみに、マイナンバーの通知が始まった2015年以降、
”家庭用金庫”の売上・出荷数が急増しているようです。2016年1月の出荷数は約1万3000個、前年同期比で約90%増と2倍近い伸びを見せた。これは、自宅に金庫を置いて、マイナンバー(カード)や大金をしっかり家庭内で保管したいという人が増えたためとみられています。
事実、ここ半年間、ホームセンターなどの金庫売り場では在庫切れの状態が続き、メーカーも増産体制でフル稼働しているものの、なかなかに追いつかない状態といいます。
(記事:菱沼理奈 氏(記事作成ライター)crowbank.jp 2016/05/31
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