(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4108)
腐朽や摩耗に強い木質素材としては、表面に樹脂塗装したものや、「WPC」と呼ばれる木粉にプラスチックスを混ぜて固めた複合素材がよく使われる。しかし、こちらは木質というよりプラスティックスに近い。見た目もテカテカ光るし、手触りも木と二て非なるもの。燃やす以外のリサイクルもできない。同じく薬剤を注入した防腐剤なども環境によいとは言えない。
その点「ケボニー材」は、色が濃く重厚な雰囲気となり、手触りも木材そのもので、廃棄後もリサイクルできる。見た目が自然木そっくりなだけでなく、成分に重金属や石油由来のものは含まず、ノルウェーの「エコラベル」も取得している。
そこで「杉(スギ)材」をケボニー化する試験を行ったところ、ラジアータパインやスコットランドパイン材(いずれも、松)などよりずっと優秀な成績が出た。芯まで含浸できて、比重が40%程度上がり、硬度、寸法安定性、耐腐朽性なども飛躍的に向上した。また材に粘りがあってひび割れも起こさない。もしかしたら、杉(スギ)はケボニー化に最適な木材なんかもしれない。とすれば、杉が世界中で求められる日が来るだろう。
有り余る杉材の需要を伸ばそうと現在推進さている「合板」や「CLT」、そしてバイオマス燃料への利用は、安さが取り柄で木材価格を落とすばかりだ。
それは林業振興どころか、森林所有者の林業離れを招いている。
しかし、杉材をハードウッドに変えることで、まったく新たな需要を生み出すことが可能となる。
しかも価格の高い家具や内装・外構材などに使用するのだから、杉材価格を引き上げることも期待できるだろう。
「ケボニー化技術」は、世界の天然広葉樹林を守るだけでなく、林業会・木材業界にイノベーションを起こせるかもしれない。
(文:田中敦夫 氏ー森林ジャーナリスト 2017/02/19)
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