(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4098)
[エマニュエル・トッド氏 グローバリズム以後~アメリカ帝国主義の失墜と日本の運命~]
一世代・、この35年というのは、国民国家の衰退の時代でもあったのでしょうか?
この35年は、最もしっかりした国々にとっては、国家の弱体化の時代、最も不安定な国々にとっては、国家の破壊の時代でした。
世界の開放、ある種のエリート主義、階級への分裂、収入の格差拡大、社会的経済的不平等の広がり、その時代は、ある意味で米国が帝国であった時代とも一致します。米国の指導者層が、自らを米国だけでなく世界の主人公だと思い、米国の国民さえも上から見るような時代でした。帝国とはそうしたものなのです。理論的には帝国には、支配する中核部分があります。しかし、その中核に属する一般の人々は、必ずしも特権的な地位にない。
ソ連という帝国の中で、そのシステムに一番苦しんでいたのはロシア人でした。周辺の人々はまだ少しましでした。つまり、米国の場合も、米国民自身が、その(世界への)帝国支配にとても苦しめられてきたのです。
ーそして今、その米国人も英国人も国民国家の枠組みに戻ろうとしている。と・・ー
まったくそういうことなのです。
それがトランプ氏の演説の奥にあることです。だから、経済的な演説に外国人嫌いの要素が混じるのです。
しかし米国での動き、大転換の核心は、経済的なところ、自由貿易への問題提議というところにあるのです。メキシコについての演説などは、むしろ二次的に思えます。
英国の場合、トランプ現象に当たるのは
EU離脱問題(Brexit)ですが、そこではむしろ外国人嫌いが原動力になりました。あまりにたくさんの移民を受け入れることへの拒否反応です。
しかし、それを外国人嫌いと呼んでいいのかどうか。だって、人々には自分の土地にやってくる人達について意見を持つ権利はあるわけですから。
だから、[外国人嫌い]というのは良い言葉ではないでしょう。むしろEU離脱をめぐって、英国でも民族とか国民という問題が優先問題となったと言う方がいいかも知れません・・。
(文:エマニュエル・トッド氏=歴史家、文化人類学者 [グローバリズム以後ー朝日新聞出版))
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