(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4091)
戦後の日本経済勃興を「造船」、「自動車」とともに押し上げてきた「家電メーカー」。
日本国内でしか売れない携帯電話を”9社の家電メーカー”の全てが作り、『ガラパゴス携帯』と呼ばれた時期もありました。一方、韓国・サムスンを代表とする新興国メーカーの追い上げにより、我が国の家電メーカーはことごとく不況に陥り、原発や火力発電などの特化を目指しますが、シャープ、東芝など、かつての日本の家電メーカーの栄華は、見る影もありません・・。
その中でも、「株価が急上昇!」している隠れた家電メーカーが存在しているようです。
『セブン向けの新コーヒーマシンで株価上昇、(富士電機)の実力とは?』
「セブン・イレブン」は、2013年1月から”いれたコーヒー(セブン・カフェ)を店内で販売しているが、当時からこのコーヒーマシンは「富士電機」製でした。
同社は、電力機器(火力、地熱発電システム、配送伝説設備等)や電力機器などの環境・エネルギー関連事業を主力とする主力とする重電メーカーの一つですが、他の家電メーカーのようにテレビや冷蔵庫などの一般家電製品を扱っていないので、三菱や日立、東芝などと比べて、案外と一般に知られていない、馴染みのないメーカーです。
富士電機は戦前からの老舗企業ですが、その歴史を紐解くと、戦後の一時期に扇風機、洗濯機、ジューサーなどの家電分野にも進出した時期があったのです。その多くは短命に終わり、唯一、消費者に近い分野と生き残ったのが、コーヒーメーカーが含まれる
『自動販売機』です。
ちなみに、現在の富士電機の自動販売機事業は国内トップシェアを確保しています。また、自販機が含まれる『
食品流通機器事業』は会社の売上高の約14%、営業利益の約18%を稼ぐ重要なセグメントとなっています。(2016年3月期実績)
セブンに設置されているコーヒーマシンには、ドライブインなどに設置されているドリップ式挽きたてコーヒー自販機で培われた「美味しいコーヒー」を作る技術が生かされています。つまり、セブン向けコーヒーマシンは、富士電機の長い歴史に裏打ちされているのです。
さらに興味深いことに、2013年時点で、中国やタイを中心とする海外展開についても布石が打たれており、国内展開だけでなく、海外展開についても注目される
”我が国のユニークな家電メーカー”です。
(記事参考:和泉美治 氏 「投信」2017/01/22)
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シャープ、東芝・・、かつて世界に栄華を誇った我が国の家電メーカーの衰退の中で、「ニッチ」というか、「特化」、「企業の”老舗部門”」を頑固に守り抜く『富士電機の自販機事業機器』は、世界で認知され、今後の海外展開について、我が国メーカーの重要なポイントの一つであると感じます。
Blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木