(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4075)
一経済評論家の私的見解には過ぎぬのですが、古賀茂明氏の評論は、自身が「元経済産業省幹部官僚」という立場だけに、『官僚の”仮面の下』=本音を語っているようで、興味深く接しました・・・。
『トランプ新大統領のむちゃぶりを、日本の官僚達が「むしろ歓迎している」ワケ』
日本の政府を支える霞が関の官僚たち、とりわけ、経済産業省あたりは、むしろトランプ氏の強面(こわおもて)の通商戦略を歓迎している。
トランプ氏は、GDP世界一の米国新大統領=世界一の権力者だ。トヨタやホンダなどの一企業が戦うのはしょせん無理。攻撃された日本企業は、通産省に「助けて!」と駆け込む。そうなれば、対米交渉と日本企業との調整などの仕事ができ、そこに新たな権限や省益が生まれる。貿易や産業分野での規制がほぼなくなり、仕事が枯渇気味だった経産省にとって、「トランプ介入」はおいしい出番を演出してくれるチャンスなのだ。
気をつけなければならないのは、彼ら官僚たちにとっては「トランプ摩擦」が新たな飯のタネになっても、それを解決する能力は持っていないことだ。結局、間に入って、うまく立ち回り、自分達の利益拡大に利用するだけだろう。
不安のタネは尽きない。日本が力を入れるインフラ輸出ではテキサス州のダラスとヒューストンをつなぐ時速400キロの高速鉄道路線に、新幹線の技術を全面的採用することが決まっている。その見返りとして、日本に「製造工場を米国内に造り、部品も米国から調達しろ」と迫って来ることもあり得るだろう。JRを所轄する国土交通省なども出番を狙っている。
トランプ氏がごねる度に、日本が右往左往し、官僚の利権が拡大する。そんな情けないシーンが続きそうだ。
(記事抜粋:古賀茂明 氏 週プレNEWS 2017/01/21)
【古賀茂明氏】
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元幹部官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主政権と対立して2011年退官。著書「日本中枢の崩壊」がベストセラーに。近著に「国家の暴走」がある。
Blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木