(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3077)
『原産地基準』には、前述してきた「EPA・特別特恵関税」と「一般特恵関税」があるわけで、それらの(原産地規則)において、原則的な考え方は一般特恵関税における原産地基準に準じていますが、EPA(経済連携協定)は、二国・地域間の取決めであり、
出題がEPA協定か、一般特恵関税制度のいずれに関わる内容かを見極める必要があります。
【問題】:関税暫定措置法(特恵関税)
A国で収穫された関税率表第8類に属する果実を原料として特恵受益国等であるB国で生産された同表第20.09項に属する当該果実のジュースは、B国の原産品である。
【回答】 : ✖ 問題の記述は誤った記述である。
【解説】
A国で収穫された原料を使用し、特恵受益国等であるB国でその原料に実質的な変更を加える一定の加工又は製造により生産された物品については、B国の完全生産品とみなすと規定されている。
ここで設問の収穫された原料は関税率表第8類(食用の果実及びナット、かんきつ類等)に分類される果実であり、生産されたジュースは第20類(野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品)に分類されることから、原料が該当する同表の項と生産されたジュースが該当する同表の項が異なるので、実質的な変更を加える加工又は製造に該当することになる。
しかし、設問の
関税率表第20.09項に属する果実のジュースについてその特恵受益国、つまりB国の原産品とされないと規定されている。そこで、設問の
関税率表第20.09項に属するジュースについては第8類の原料を使用してはならないことになるが、同表備考3に「この表の下欄において定率基準以外の条件は、中欄に掲げる物品の生産使用される原料又は材料のうち原産品については、適用されない。」とあるので、B国で収穫された第8類に分類される原料を使用していれば、関税率表第20.09項に属するジュースがB国で生産された場合でもそのジュースは
B国の完全生産品とされることになる。
では、設問の第20.09項に属する果実のジュースはどうかといえば、
A国で収穫された第8類に分類される原料を使用しているため、
B国の原産品とはみなされない。したがって設問の記述は誤りである。
(関税暫定措置法施行令第26条第1項第2号)、
(関税暫定措置法施行規則第9条、同規則別表20.09)
(記事出所:ヒューマンアカデミー 2014年過去問題集~)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木