(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3017)
近年の通関士試験での特徴は、『複合問題』です。具体的に言えば、各法令の単独の条文をそのままに問題として出題してくるのではなく、「一つの規定が他の規定においての処理で、どのように扱われるか?」という受験者の”理解度”を問う問題記述です。
過去の試験における「条文単独問題」と違い、その問題表現を変えて出題してくるので、受験対策として、理解無しの単なる”暗記”では太刀打ちのしようがなく、さらに、他の手続きと関連=リンク問題として記載してくる例が多々あり、問題に接する受験者の判断の混乱増加を呼ぶ問題構成となってきています。
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次の出題例も、「(原則)と(例外)」をリンクさせた、受験者の”判断の混乱”を呼ぶ問題の一つであると感じています。
【問 題】
「輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けて国内に当該貨物を引き取った後、違約品として輸出国へ返送される貨物については、輸入の許可前であっても内国貨物とみなされ、輸出の許可を受けることを要する。」
【解 答】
〇 正しい。 問題の記述は正しい記述である。
【解 説】
※ 「(輸出)とは?:内国貨物を外国に向けて送り出すこと」と、「輸入許可前引取承認」をリンクさせた問題である。
「B/P(輸入許可前引取)においては、貨物は(内国貨物)として扱われ、通関上の法令手続きは(外国貨物)に対する規定が後続するという特例規定があります。
「輸出」とは? と言う、関税法の原則論のみで試験に臨もうとする安易な受験対策では、"とんでもない話!"と言えます!
「輸入の許可前引取り承認を受けた貨物は、一部の規定(適用法令、課税物件の確定の時期等)を除き内国貨物とみなされる。
したがって、違約品として輸出国へ返送される貨物についても(内国貨物とみなされる)ことから税関長の輸出の許可が必要になるので、設問の記述は正しい。
(関税法第73条第3項)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木