(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3049)
とりわけ、東アジア域内の貿易において、輸出入の過半数は「企業内貿易」・「グループ内貿易」が占めているのであり、遠方の他国相手との他国間売買で生じる決済上のリスク(信用不安)は少なく、「送金ベースでの決済」が多くを占めるとも思われますが、やはり、「輸出入の決済」は貿易最大の不安材料であることに違いありません。
『貿易決済の3層化・多様化』
【L/C\決済(信用状)】:【TSU・BPO決済】:【送金決済】
それぞれについて、決済リスク、スピード、トータルコスト、ファイナンス等の面で、メリットとデメリットは?
「L/C決済(信用状)」
L/C決済は他の決済方法よりもスピードが劣り、トータルコストがやや高い。一方で、決済リスク、ファイナンス(L/C買取りなど)については機能が高い。
「送金決済」
決済処理のスピードが速く、コストも安いが、決済リスクとファイナンスに対する機能に欠ける。
信用のある相手先(輸出先、輸入先)であれば、送金決済によるスピード、コスト面のメリットを生かすことができる。
送金決済については、親子企業間取引であるとか、決済コストを安くして、かつ、信頼性のある相手先との間で利用していくことになる。
「TSU・BPO決済」
トータルコスト面では送金決済よりは少し高くなるが、L/C決済よりはトータルではコストが低くなる。TSU・BPO決済は、迅速性と簡便性がある上に、
ファイナンス(輸出買取りなど)の機能があり、決済リスクが低いという点を取引上の付加サービスとして売り込んでいくと、その評価が定着してくると思われる。
☆
TSU/BPOが新たな貿易決済手段として加わり、L/C、送金と共に決済手段の3層化によって、大手利用企業においてもL/Cを使用する取引き、送金とする取引き、TSU・BPOを活用する取引き、それぞれを使い分けている。新規や履歴の浅い取引先、あるいは、カントリーリスクのある国の取引先についてはL/C決済を採用する一方、取引実績を重ねて信頼できる取引先についてはTSU・BPOにシフトしていくようになってきている。
(記事出所:佐藤武男氏 グローシップ常務取締役(元・三菱東京UFJ銀行理事・外為事務部長)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木