(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3014)
前々号は、海運会社のA&E「シンガポールNOLが、世界大3位のフランスの大手海運企業に身売り」のアップでしたが、このNOL(ネプチューン・オリエンタル・ライン」のA&E(買収・合併)に関しては、それより先、昨年の11月中旬に我が国企業での買収がニュースになりました。
『(近鉄エキスプレス)、NOL傘下の(APLロジスティックス)を買収』
我が国の物流大手・「近鉄エキスプレス」は、昨年11月17日、シンガポール海運会社のNOL(ネプチューン・オリエント・ラインズ)傘下の「APLロジスティックス」の全株式を取得すると発表した。
買収資金は主に金融機関からの借り入れで賄う。APLロジスティックスの売上げ規模は1862億円(15億7800万ドル、2013年12月期)で、近鉄エキスプレスの昨年3月期3100億円と合わせた売上高は、5000億円となり、日本の物流企業グループでは、6600億円予想の日立物流に迫る。
近鉄エキスプレスによると、今回の買収はAPLロジスティックスが実施していた入札に参加し、最終的に11月17日に近鉄エキスプレスが落札したとのことであるが、水面下では2013年夏頃から双方による提携の模索が始まっていたもようである。
買収の決断に至った経緯について、「当初は株式100%の取得までは目指していなかったが、APLロジスティックスの親会社であるNOLから全株式を売却したい」との申し出があったという。
近鉄エキスプレス・石崎社長は、「近鉄エキスプレスの航空・海上フォワーディング力とAPLロジスティックスが持つバイヤーズコンソリデーションなどのコントラクトロジスティックス機能を組合せせることで、顧客に新たな価値を提供できると考えた」と、今回の買収の目的を述べた。
☆ 具体的には;
近鉄エキスプレスの事業構成(2013年度)は、航空輸送(53.8%)、海上輸送(24.2%)、ロジスティックス(11.5%)となっており、航空輸送の比率が高い。
対する、APLロジスティックスは、ロジスティックスが80%を占め、フォワーディングは海上(15.3%)、航空(4.6%)と低いが、買収によって両者を合わせた事業構成は、航空フォワーディング(35.8%)、ロジスティックス(36.5%)、海上フォワーディング(20.6%)と、非常にバランスのとれた収入構成の大手国際物流企業への、絶好のシナジー効果が生まれる。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 k・佐々木