(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3008)
粗鋼生産量の見通しが月を追うごとに下振れしている背景には、中国の鉄鋼メーカーの輸出攻撃が予想以上であることにある。中国の粗鋼生産能力は11億トン/年以上と見られているが、実際の生産量は約8億トン/年程度にとどまる。さらに、景気減速で中国国内の総需要量は約7億トンと、2年連続で減少傾向にある。
そのため、中国は自国で消化しきれない鉄鋼材を輸出に回す戦略を採っている。実際、昨年9月の鋼材輸出量は1125万トンと、単月で過去最高を記録。2015年1~9月累計では8311万トン(前年同期比27%増)と、驚異的なペースで拡大している。
(安価な中国鋼材)の蔓延が、国際的な鉄鋼市況を崩壊させている。アジアの熱延鉄板の価格は過去1年で4割近く下落。米国などの輸出先でダンピング(不当廉売)認定に至るケースも出ている。
新日鉄住金やJFEスチールの輸出比率は金額ベースで40~50%に達する。
日系鉄鋼メーカーは自動車鋼板など高付加価値品が得意で、一般鋼材である中国産との直接的な競合は少ない。それでも、中国鉄鋼材の安値輸出のあおりを受けた市況低迷が、日系メーカーの輸出採算を大きく悪化させている。
実際、日本の2015年度上期(4~9月)の粗鋼生産量は5206万トン(前年同期比6.3%減)。
仮に、2015年度の粗鋼生産量が1億0600万トン(前年比3.5%減)だとすると、東日本大震災のあった2011年度の1億0646万トン以来、4年ぶりの低水準となる。
中国の鉄鋼メーカーの多くは、国有企業や地方政府が出資している。地元の雇用対策という側面から、設備稼働の維持を優先し、内需で消化しきれない分を安値で輸出に回している。
すでに日系メーカーの業績には影響が出始めている。JFEホールディングスは、7月に海外市況の下落を理由に、2015年度経常利益予想を期初から300億円引き下げた。
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・構造改革の断行は申告な雇用不安を招き、そこから政治不安にまで発展しかねない
ことを政府はなにより恐れる。
・実際、中国最大の「宝山鋼鉄」(上海)の1-9月期決算で1兆円近い赤字に転落
であるが、企業単位での減産を実行できないのが中国企業の特徴である。
・過去に日本の鉄鋼業が行ってきた(合理化)のプロセスになればいいが、
カットする=減産する絶対量が桁違いで、時間がかかる。
「中国の鉄鋼生産量を正常化させるまでには5年から10年かかる・・」
との予想も聞かれる。
(記事参考:中村 稔 氏 東洋経済 2015/10/28)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 k・佐々木