(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン)してるかな? (2974)
北米大陸と南米大陸を繋ぐ中央アメリカ南東部のパナマ地峡にあり大西洋(カリブ海)と太平洋を連結するのが「パナマ運河」です。
1914年にパナマ運河が造られるまではアメリカ東海岸のニューヨークから西海岸のサンフランシスコに向かう船は、北米、南米と西海岸を南下し、南アメリカ大陸先端のホーン岬を回って北上していました。その結果、2万900Km以上の航行を要していた。パナマ運河によって、この航行は半分近くの1万250Kmとなっています。
南北アメリカ大陸の最も狭まった場所に作られたパナマ運河は全長80Kmの運河で、年間1万4000隻もの船舶が通行する海運の要衡です。
パナマ運河を通行できる船のサイズは、幅:32.3m、長さ:294.3m、深さ:12mです。このパナマ運河を通行できる最大のサイズの船を
「パナマックス(Panamax)」と呼びます。
『ポスト・パナマックス』
現在、パナマ運河において2007年から総事業費約53億ドルという壮大な拡張計画が進められており9割がた完成で、2016年4月の使用開始にむけて最後の工事が急がれています。
運用開始後は、大きな国際物流の転換期になる可能性があります。これまでは上記「パナマック」=船腹幅:32m、3,800TEU(20フィートコンテナ換算でコンテナ積載量が3,800本)程度のコンテナ船しか通れなかったが、拡張工事により船腹幅:48mくらいのより巨大な船も通れるようになり、13,000TEUのコンテナ船も通行できるようになる。
【ポスト・パナマックス 最大通行可能船】
幅:49m、 長さ:366m、 深さ:15m、
コンテナ積載量:1万2000TEU (※)パナマックス船の2.5倍。
これはコンテナ船だけに限らず、バルク船(ばら積み貨物船)も同様で、例えば北米からのトウモロコシや小麦などの穀物などの船舶の大型化が予測される
具体的には、現在、アメリカ東海岸から日本へのコンテナ航路は大型船がスエズ運河経由、中小型コンテナ船がパナマ運河経由となっているが、パナマ運河拡張により、スエズ運河航路よりも航行距離が約6,000km短縮することで輸送コストが約3割低減、コンテナ船の大型化により約4割の輸送コストが削減されると予測されているが、拡張後の運河通行料金によっては、おおきな削減につながらにない可能性もあり、パナマ運河拡張による海上輸送コストへ充分な注視が必要とされる。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木