(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2951)
『SDR』は、pecial Drawing Rightsの略で「国際準備資金の特別引出権」を意味し、その単位にも使われる。IMF(国際通貨基金)が加盟国の保有する準備資産を保管する手段として1969年に創設した。
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[IMF (International Monetary Found)=国際通貨基金
国際金融、並びに、為替相場の安定化を目的として創立された国連機関。本部は米国・首都のワシントンに置く。
SDRはいわばIMFだけで通用する通貨で、それでモノやサービスが買えるわけではない。
外貨不足に陥った国が、あらかじめIMFが指定した国にSDRを引き渡し、米ドルなどの交換可能通貨を融通してもらうことができる。
当初、SDRは金とドルを規準通貨としていたが、1971年に米国がドルと金の交換を停止する、いわゆる[ニクソン・ショック]によりそれまでの「ブレトンウッズ体制(固定相場制)」が崩壊し米ドルが暴落したことで、複数の主要通貨に連動する「通貨バスケット制」に移行した。
■現状は(米ドル)、(ユーロ)、(英ポンド)、(日本円)の4通貨のバスケットで構成
SDRの資金総額は10月末現在で2382億SDR(1米ドル=120円換算で約40兆円)、国別の配分額は、最大の米国が421億SDRで全体の18%を占め、日本は2番目に多い156億SDR(約2.62兆円)、シェアは6.6%だ。
ただ総額40兆円という規模はそれほど多くはない。タイを例にとると外貨準備高572億米ドル(2014年)に対しSDR割当額は14.4億SDR(20億米ドル)と、わずかに1%強に過ぎない。途上国の多くが[通貨スワップ協定]を締結しているのはこのためだ。
現在、SDRの価値は4つの国・地域の通貨の世界での使用比率(通貨バスケット)に基づいて決められている。構成比は(米ドル):41.9%、(ユーロ):37.4%、(英ポンド):11.3%、(日本円):9.4%で、SDRの米ドル換算値はIMFが毎日決定、公表している。ちなみに10月28日は1SDR=USD1.40(約168円)だった。
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この割合が大きく変ろうとしている。「中国人民元」の算入だ。1999年に独マルクと仏フランがユーロに統合されたのを除くと実質的に1981年から続いてきた現行の4通貨体制が34年ぶりに見直される公算が強まっている。
(記事: 為替ニュース ZUU online 2015/11/04)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木