(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2930)
消費税の8%から10%の値上げに伴う(軽減税率)は、すでに10月17日(No.2920)から3回に渡って取上げている話題です。
・関税の無税の物品の輸入であっても、消費税は課税される。
・一部の関税の免税物品は(輸徴法)の規定によって、消費税も免税となる。
・輸入物品の課税標準額は、HS条約品目表(実行関税率表)により物品の所属区分が行われる。
等の理由から、貿易と内国消費税が密接にリンクし、内国消費税として、(国内での独自な観点では実施が難しいのでは?)とする主旨です。
『軽減税率は生鮮食品軸 自民税調「新聞・出版」も検討』
自民党税制調査会が、消費税率10%引上げと同時に導入する軽減税率の対象品目について、精米や刺し身、生肉などの「生鮮食品」に絞った案を軸に調整していることが24日に分かった。
現行の8%税率に据え置くと3400億円の税収減となるが、医療や介護などの自己負担を軽くする「総合合算」と呼ばれる制度の導入を見送ることで生じる約4千億円の財源を充て、財政再建に配慮する。
自民党税調の検討では、社会保障と税の一体改革の枠組みの中での仕組みにとどめ、制度の詳細が固まっていなかった社会保障の負担軽減策である「総合合算」の導入を見送る代わりに、その財源の範囲内で軽減税率を導入する方向で調整する。当初は「精米」に絞る案もあったが、負担軽減効果が薄いとして、生鮮食品に広げた。対象は財源確保をにらんで段階的に広げる方針だ。
自公は27日に与党協議を再開。11月中旬までに対象品目や財源など軽減税率制度の詳細を固め、年末の税制改正大綱に盛り込む。
(記事参考:産経新聞 2015/10/25)
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通関に係わる人たちであれば、(食品)の所属区分(線引き)がどれほど複雑な内容で困難なものであるかよくご存知だと感じます。
例えば、単純に「生鮮食品」というけれど、魚の(いくら)は生鮮食品であり、「キャビア」は加工食品。 生の唐辛子は野菜として生鮮食品であるが、乾燥した「たかのつめ」は調味料。など・・。
(※)
米を乾燥させ、胚芽を除去した「精米」が、どこをどう考えれば、「生鮮食品」となるのか?
(対象品目の線引き)=「物品の所属区分』は、極めて困難であやふやな世界です。
また、公明党の主張する「新聞・出版物』、今月より海外からのメール等による(電子媒体による情報)も消費税の対象とする法案が施行されることになったが、現在、多くの国内印刷物は海外で印刷されて輸入されている。
この問題もどう捉えるのか? (内容によっては”ざる法”となる危険性がある)
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その多くを、海外からの輸入にたよる(食品)・(出版物)などの我が国の現状において、内国消費税である「消費税の軽減税率」・・輸入通関との密接なリンクを避けては通れません。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木