(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2801)
「通関士試験に(英語力)は、どの程度必要か?」は、新規に受験を目差す受験者にとって不安要素の一つであることには違いありません。
それに対して、多くの回答は、「中学生、高校生程度の英語力があれば、別段に通関日常業務に支障はなく、格別の英語力が必要な業界とは言えない」との返答が多いと思えます。
その返答に対しては、さほどの反論もありませんし、そうであろうな~との思いで同感です。
ただし、 (現状までは!)という条件付きです。現状までは、その程度の(英語力)でもって、通関業に従事してこれたが、今後においても一定レベル以上の英語力なくして、通関業務に従事できることは、はなはだ疑問です。
「AEO国家相互認証制度」、あるいは、太平洋を跨いだ環太平洋経済連携協定であるTPPなどの(外圧)による「通関業・通関士資質の底上げ」を急速に迫られているわけであり、様々な要因による、そのギャップの穴埋め=しわ寄せが、現状の通関士試験問題であり、それを受ける現在の受験者であるとの思いも強いです。
『申告書作成問題における(英語力)』
基本的には、「輸出統計品目表」・「実行関税率表」においては、左欄(和文)=(英文)右欄と対比になっており、インボイスでの見知らぬ物品名であっても、スペルからその日本名を追うことは可能な構成となっています。しかしながら、その全ての物品名を網羅することは不可能であり、また、業界、国・地域によって、各物品の英語表現が異なる物品もあります。
1) 数年前の本試験において、「乗用車」の英語表現が、インボイス(Passenger -car)と、実行関税率表の(Motor car・Automobile)と、その(英語表現)が異なっており、一部の受験者が、「実行関税率表でのMotor Carとなっていないことから、インボイスのPassenger-carを、(その他の車両)に区分したという、笑えない実例があります。
2) 受験者が、(バンブー祭り)と揶揄する試験での(竹製の串)=Bamboo-skewer
串=skewerという英単語を知っている受験者は極限られているのではないでしょうか?
☆
[実行関税率表]の、(和文):(英文)対比から、インボイスの物品名を見つけられないという、輸出入物品の英語表現が増えてきているとは感じます。
☆☆
(英語力)、(英単語のボキャブラリー数)が強いことは、間違いなく、申告書作成問題の読み取りと理解に有利であるとは感じますし、問題作成者も、そのポイントを狙って、あえて一般的でない物品の英語名をインボイス上で使用しているのではないか?との思いは残りますが、これは、(英語力)うんぬんのレベルではありません。受験者の憤慨と同じく僕も(やり過ぎ、誤った試験の方向性)としか感じていません。
少なくとも、本年度=第49回通関士試験においては、上記のような(合格率安定のための問題作成者による安易な難易策)を組みこんだ出題はないと、強く信じています。
一定レベル以上の(英語力)は必要であることは間違いありませんが、申告書作成スキルの重点は、(HS品目分類スキル)・(課税価格の決定スキル)にあって、(英語力)は、その目的のための手段・過程に過ぎません。試験問題の作成手段がその基本を外れることは誤りと感じます。
通関士試験の主目的が、「受験者が、それを行える資質、それを調べる術を持つ人材か?」と問うという正しい方向性での国家試験に立ち返えることを強く望みます。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木