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『課税価格の決定ー(輸出者=通関業者・保税倉庫)』
 (貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな?   (2794)

「関税評価、課税価格の決定」に係る出題は、毎年の通関士試験において計算問題として3問程度の出題をみます。次の凡例は、グローバル化する国際物流においての新たな輸入形態と思え、非常に注意を引く内容です。具体的には、輸出者が(通関業者・保税倉庫)です。また、下記の関係業者(6社)の関連を具体的に図式化できるまでの学習を深めた受験者においては、少々の複雑な内容の出題に対しても解答を出せる受験者ではないかと感じます。
 言えることは、各模擬試験問題等が、(イタズラに問題内容を複雑化している)のではなく、それらより、はるかに複雑で複数の関連業者が絡む「国際物流」=国境を越えたモノ作り、国際ロジスティックスの現状下であることに充分な留意が必要です。言い換えれば、旧態依然とした(法令の原則規定)の型通りの教科書的な内容での輸出入など一つもないのが、現在の貿易の実態ではないのでしょうか?

【照会の主旨】
 家具の輸入取引の認定及び課税価格の決定の方法について照会するものである。
【関係する法令条項等】
 関税定率法・第4条の4
【取引の概要】
1).本邦在所の輸入者であるA社(輸入社)は、T国在所の通関業者・保税業者である輸出者であるB社より家具を輸入する。輸出者と輸入者は特殊関係にはありません。

2).本邦在所のC社は、輸入貨物の仕入に関して本邦在所のD社に対し、年間の月別購入予定数量、型番及び購入希望単価が記載された「年間仕入計画」を提示します。D社は、この年間仕入計画に基づき、X国所在のE社(サプライヤー)との間で、C&F・T国港条件で輸入貨物の売買契約を結びます。
輸入者、C社、D社及びサプライヤーの間に特殊関係はありません。

3).一方、C社は、輸入貨物の仕入に関し、輸入者に対しても「年間仕入計画」を提示します。「年間仕入計画」に記載された各月の輸入貨物は、原則として翌月20日にC社に納入されることとなっている。

4).「年間仕入計画」に基づきD社がサプライヤーより購入した貨物について、輸入者は、D社と都度、CIFのT国港条件で売買契約を結び、T国にある輸出者の保税倉庫にて輸入貨物を購入し、この時点で貨物はD社から輸入者に引き渡されます。

5).輸入者は、「年間仕入計画」に基づき、T国の保税倉庫に保管する貨物の本邦への輸入時期を決定します。輸入者は本邦在所の通関業者であるF社へメールにて出荷指示し、F社からF社の関連会社である輸出者へ出荷指示が転送されます。この出荷指示により、T国の保税倉庫にある貨物が本邦に向けて輸出されます。

6).輸入者は、輸入通関後、輸入貨物を全量C社へ販売します。輸入者からC社への販売価格は、輸入者がD社から購入した価格に、T国から本邦までの海上運賃及び保険料、T国における保税倉庫出庫費用及び輸出諸費用、本邦における輸入通関諸費用を加えて算出した額に、輸入者のマージンを上乗せした額です。
なお、T国の保税倉庫に係る保管料は、輸入者のマージンに含まれています。

7).輸入貨物である家具は、特別な材料を使用して生産されたC社向けのオリジナル商品であり、その性質上、輸入貨物と同種又は類似の貨物に係る取引価格について確認することは困難です。

【回答内容】
 本事案における輸入貨物は、輸入取引によらない輸入貨物と認められることから、「関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を決定することはできません。同法第4条の3第1項に規定する国内販売価格があることから、当該価格をもとに課税価格を計算します。

 本事案において、貨物が輸入されるまでに当該貨物について(二つの取引が行われている)ことから、いずれの取引が「輸入取引」に該当するのかについて、以下検討します。
(1)、D社とサプライヤーとの間の取引
 D社とサプライヤーとの間の契約関係を示す書類は照会者から提示されていませんが、サプライヤーがD社宛に発行したインボイスにおいて、「BUYER: D社」と記載されていることから、両者間にサプライヤーを売主、D社を買主とする売買があるものと考えられます。
 しかしながら、同インボイスにおいて、貨物の仕向地はT国港と記載されており、本取引により貨物は本邦に到着していません。したがって、当該取引は「輸入取引」に該当するとは認められません。

(2)、輸入者とD社との間の取引
 輸入者とD社は、サプライヤーがD社宛に発行したインボイスに記載されている契約番号、型番及び数量と同じ貨物に係る売買契約書を作成しています。当該貨物について、輸入者は、D社からT国の保税倉庫において引渡しを受けるとともに、D社に対し当該貨物の代金を支払うことを契約していることから、両者間にD社を売主、輸入者を買主とする売買があるものと認められます。
 しかしながら、同契約書において、貨物の単価欄に「CIF T国港」と記載されている以外に貿易条件を示す記載はなく、また、本取引により貨物は本邦に到着していません。したがって、当該取引は「輸入取引」に該当するとは認められません。

☆☆
 上記のことから、いずれの取引も「輸入取引」に該当せず、T国の保税倉庫において貨物を購入している輸入者が、C社への納入期限に間に合うようにF社に対して自ら船積み指示を出し、貨物を本邦に到着させていることから、当該貨物は(輸入取引によらない輸入貨物)であると認められます。


 また、輸入貨物である家具は、C社向けにデザインされ、特別な材料を使用したオリジナル商品であり、その性質上、「同種又は類似の貨物に係る課税価格の決定方法」=(関税定率法第4条の2)の規定により課税価格を算出することはできません。
 よって、関税定率法第4条の3第1項の「国内販売価格からの課税価格の決定方法」の規定を基として、関税定率法第4条の4の「特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定」によって、課税価格を決定することとなります。

(記事出所:回答年月日・2014/1/27  横浜税関業務部主席関税評価官)

by Gewerbe  「貿易ともだち」   K・佐々木
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by Gewerbe | 2015-09-21 14:59 | Trackback | Comments(0)