(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2801)
下記は、平成21年度の通関士試験において出題された(関税法・罰則)に係る問題である。
通関士試験問題の”クセ”の顕著な問題であり、出題記述の(読解)を必要とするとともに、関税法の罰則と各該当犯則の関連を把握しておく必要性を感じる出題です。
【問 題】
重大な過失により関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出した場合には、関税法第116条(重過失)の規定により罰金刑が科される。
【解 答】
× 問題の記述は誤り
【解 説】
関税法第116条(重過失)も規定により罰金刑が科される場合とは;
「重大な過失により関税法第111条第1項第2号の規定に該当する罪を犯した場合などの一定の罪の場合に限定されている」。
問題の「関税法第67条(輸出又は輸入の許可)を受けるべき貨物について当該許可を当該貨物を輸出した場合」には、(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する)と規定されているが、この規定は第111条第1項第1号の規定であり、関税法第116条の規定に該当する罪ではない。
☆
第116条の(重過失)の罪が該当する罪とする関税法第111条第1項第2号に該当する罪とは;
「関税法第67条の申告又は検査に際し、偽った申告若しくは証明をし、又は偽った書類を提出して貨物を輸出し、又は輸入した場合」である。
したがって、「重大な過失により、無許可輸出入をした場合」に、関税法第116条の(重過失)を犯した場合の罰金刑が科されるとする問題の記述は誤っている。
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この出題も、「重過失」という”(単語)のみの一元的記憶で、短絡的に第116条の(重過失罪)に結び付けてしまい、出題記述全体の要旨を”読解”しないという、陥りやすい”クセ”を持つ出題の一つと言えます。
(通関士試験の合格)とは=「沈着・冷静、敏速・正確な読解力」であることを、今のうちから心がけて、受験対策をスタートさせてください。その準備のない限り、「通関実務科目」を試験時間内に適正に解答することは無理です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木