『Primary balance プライマリー・バランス』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2599)
前号で、「現在、日本政府は2020年に
”基礎的財政収支”を黒字化するという国家的公約を国際的に掲げています。」と書いています。そのための来年10月1日からの消費税10%への引き上げなのですが、現在の状況では仮に消費税率20%に引上げても、基礎的財政収支の黒字化は、どういう算数をしても実現は不可能です。政府や日銀が、何故に?自信ある答弁がどこから出て来るのか不思議です。
この(円安)の中でのエネルギー資源等や海外生産品の逆輸入の”輸入超過”の中で、及び”高齢化の中での医療費・年金の支払い増加”の中で、「平均的財政収支」を”黒字化”できるという算数式ができあがるのでしょうか?
2020年の目標公約の黒字化とは
「基礎的財政収支」です。では、この「基礎的財政収支」とはいったいどのようなものなのであり、”黒字化”とは、具体的にどう言う意味でしょうか?
『基礎的財政収支=プライマリー・バランス(Primary balance)』
基礎的財政収支(プライマリー・バランス)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いに宛てられる費用)を除く歳出との収支のことを表し、
その時点で必要とされる政策経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標。(財務省)
簡単に説明すると、借金や利息の支払いなどを除外し、純粋な支出と収入で見た時の国の会計がどうなっているかを示した指標です。”新たな借金”を増やさずに税収だけで支出をカバーすることができれば=「基礎的財政収支」は(黒字)と言い、さらに借金を積重ねなけねば、政策が実行できない場合は(赤字)となり、これまでの”累積赤字”が増大します。
「基礎的財政収支の黒字化」とは、その年の収支が黒字か、赤字か?という観点で、決して、我が国の借金=国債発行残高を解消して=「日本は借金が0で、預金がある」という意味とは大違いです。
もう少し理解できるように見てみましょう。
昨年(2013年度)における政府の歳入額は約93兆円ありました。このうち、税収入によるものは約47兆円しかありません。残りの46兆円は全て借金(新規国債発行)です。
一方、歳出のうち、国債の利払いなどを除いた支出は約70兆円あります。47兆円の税収に対して70兆円の支出ですから、差引きすると、23兆円の赤字となります。
つまり、新規に23兆円の借金を積重ねる=(国債発行)をしなければ、平成23年度は、計画した政策を実行できなかった。ということになります。
☆
本年度=平成24年度の我が国の一般会計予算案は約90.3兆円でした。その内容をみてみると、いままでの発行国債の元金利払い=(借金支払い)と(地方交付税交付金)、(社会保障関係費)で、歳出全体の約7割を占めており、残りの3割で、様々な年次政策を実行しているに過ぎません。
国家会計で考えるとなかなかに理解し難いので、現在の日本の国家会計状況を(一般のサラリーマン家庭における家計)に例えるとどうなるのか? 次号でアップしてみます。 何故に?政府・日銀の強気発言がでてくるのか?
私ばかりでなく、世界全体が頭を傾げて、頭上には?(クエション・マーク)が灯っているのではないでしょうか!?
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木