(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2517)
本来の話題に戻りたいので、前号で約束した輸入申告書における輸入物品が5年連続して、「米国からの食品」であった背景をアップします。
輸入申告書においては、最後のNACCS区分番号も含め、(10桁の番号)を選択するのが物品区分の解答作業です。その内、前(6桁)の数字は、国・地域及び業種を越えた”実質的に現在における国際共通・標準の物品区分”である(HS条約品目番号)です。
この「HS条約品目表」は、貿易形態の変化に合わせて、10年程度経過毎に改正が行われます。
過去使用されてきた「HS2000年版」から、現在は「HS2010年版」に改正されています。
「HS2010年版」の改正ポイントは何点かありますが、通関士試験に大きく影響を及ぼす内容が、受験生を悩ました(衛生用品の分離独立)です。
今一つの大きな改正の特徴が、
「FAO(世界食料農業機関)の要請による食料の明細区分)」です。
現在の世界人口は、約67億人ですが、2050年には約92億人に膨れ上がると予想されています。これは、途上国の経済発展に伴う食料需要の急増が要因ですが、過去、人口が1.5倍になると、穀物の消費量は2倍になる、というデータがあります。
現状において、全食品の7割以上、穀物においては、”8割以上”を海外からの輸入に頼る我が国です。我が国にとって、(食料は、金を出して海外から輸入すればいい)という時代ではなくなり、世界的に食料の価格高騰は避けられない方向であり、(金を出しても食料が買えない)とするのが、世界的な将来の現実問題なのです。
”6年も継続しての輸入申告書での輸入物品が食品”とは、予想しにくいのですが、仮に今年の輸入申告書の対象輸入貨物が食品だとすれば、食品に関しての「HS2010年版」の大きな改正点である「第3類・魚類等」の(燻製(くんせい品)の独立と、(まぐろ)を中心とする魚類等の細分化があります。
しかし、確信は無いですが、本年の輸入申告書の対象輸入物品は、(魚類)よりも、第8部のバッグ・容器を中心として、第9部・木製品、第14部・宝石、貴金属、第15部・卑金属製品、第20部の雑品をリンクさせた多種・多様な商品ではなかろうか?と想定しています。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木